「たーにーやーまー」
鬼の常務と言われる
あたしは入社早々から亀田さんに目をつけられている。
「はい‥‥‥なんでしょうか」
「いい加減両面コピーの操作に慣れろ!入社して2か月も経つんだからな」
「(口うるさい‥‥‥)はい、申し訳ございません」
あたしは不本意ながらも、
「いいか。俺は仕事をやろうともしない、覚える気もしない奴が一番嫌いだ」
‥‥‥?
「次はミスするな。したとても俺が強制的に直しにかかるからな。覚えておけ」
「はい」
最悪だよ‥‥‥。
だって両面コピーなんて学校じゃ教えてくれないし。
あたしはもくもくと仕事に明け暮れるのであった。
‥‥‥
‥‥‥
カチカチカチ‥‥
PCの打ち込みの音のみが響く執務室。
あたしはなんでこの会社入ったっけなぁー。
そうだ。
彼氏の会社だから。
その彼氏は‥‥‥今はあたしと別れてあたしの親友と付き合っている。
「あーあ‥‥‥」
涙が出そうになる。
「これくらいも出来ないなんて‥‥‥」
普段のあたしはこんな時どうしてたっけか。
<「次はミスするな。したとても俺が強制的に直しにかかるからな。覚えておけ」>
「ダメだダメだ。こんなのあたしらしくない。さて、帰ってネットで動画見るぞ!」
なんでかな。
亀田さんの言葉と顔を思い出せば、活力が沸いた。
「あの魔王を
「魔王とは誰かな?」