恋のはじまり

わからせっくすは漫画だけの話だと思ってた

あーそぉ、と

子憎たらしいくらい不遜ふそんな表情の先輩。

そのくせ目の奥だけはギラギラと……獲物を眼前にちらつかされた犬のようで。

­――あ、食われる。

覚悟せざるおえないぎりぎりの淵まで、私をじりじりと追い込むのだ。

 

「ん、ふ……」

にゅるりと、深く重なる唇の、わずかな隙間を縫うように絡められる舌。

ぬる、にゅり……くちゅっちゅっちゅっ

ぬるく、けれども熱くとろけるように。

上顎うわあごをすりすりと舌先で擦り、劣情れつじょうを掻き立ててくる肉厚の舌……とろりと絡み合うように混ざると、ぞくぞくするものが止まらない。

「んぅ、はふ……んむ……!」

息を奪い合うほど苦しいのに、腰が重だるく気持ちよくて、頭がおかしくなりそう……!

上顎に舌の腹をぺったりと這わすようにくっつけられると、じわぁっと子宮が熱くほてる。

そのまま、すり、すりっと優しく撫でられてから、尖らせた舌先で歯の裏のあたりをチロチロなでなで……。

「せんぱ……ん、ふぁ……っ」

角度を変えて、唇を啄んで、舌を吸い上げて、唾液を舐めとる。

溺れるようなキスの合間に、薄く眼を開ければ……こちらを射抜く視線に当てられる。

そして

「ぁん……んー!」

唇で塞がれたまま、大きな手のひらは私の平坦な胸を捉えた。

もみゅもみゅと……片手で収まり切ってしまう貧相な胸を、大胆に揉みしだきながら、トップスの裾に手が侵入し……。

「せん、ぱ」

つい、その手に爪を立ててしまう。

「……なに」

あぁ、眉間に皺が寄るところもかっこいい……じゃなくて!

「私、む、むねが大きくないのですが……」

「見りゃわかるよ」

もにゅ、と。

無遠慮に揉まれ「んにゃぁっ!」変な声が出た。

「きょ、巨乳が好きって言ってたくせに!」

「え、いつ」

「今日! 飲み会で! そもそも私歳上ですらないですよ!」
………

………

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