恋のはじまり

ホワイトデーにはアダルトなお返しを

驚いて目を丸くして、沙耶くんはあたしを見る。

その手をあたしは握って、背伸びしてキスをした。

「!」

「あたしの気持ち、知らないくせに!」

「でも義理チョコ切ないです」

「本命チョコには!…ちゃんと大好きって言いたいってメモ入れたし!!」

「…やーっと言った」

沙耶くんはクスリと笑ってあたしを抱きしめてくれる。

ギューッと力強くいっぱいに。

「さきほちゃんの口からききたかったけど、答えしか求められない感じだったからいじめちゃった」

「なっ…」

沙耶くんは抱きしめた腕の力をゆるめて、あたしを見てくれる。

いつにもなく、かっこかわいい笑顔。

そのあとは濃厚のキスを交わす。

沙耶くんの舌先はあたしの歯の裏をなぞった。

敏感に反応してあたしの舌は少しだけ震わせた。

それに気づいた沙耶くんは、頭を撫でてくれる。

ちょっと安心。

だってこれからアレをするんでしょ?

今まで経験ないから…
………

………

………
「不安でしょ」

「うん」

「大丈夫。優しくするから」

「…うん」

「可愛い。もっと鳴いてほしい」

「ななな、鳴く!?」

「知ってる?嬌声きょうせいって」

「??」

「はは!ほんと知らないんだね。いいよ教えてあげるから」
………

………

………
そう言って沙耶くんはあたしの胸をもみこんだ。

変な気持ちになるあたしは、どうしていいのかわからない。

次第に揉む手に力がこもってきて圧がかかったことに気付いた。

巧みな指の動きについ声が出る。

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