逃げたいのに。溶けて消えたいくらい恥ずかしいのに。
私の意思とは相反して、思わず彼の服をぎゅうっと握ってしまう。
「……いいの？ 俺、据え膳を食い尽くすタイプだけど」
耳元の囁きに、全身の血が沸騰する。羞恥心に塗れながら、頷いた。
――そして、私と彼の奇妙な関係は始まったのだ。
………
………
………
彼がいれば他の痴漢を避けられるはず。
私の予想は的中して、その後痴漢に会うことはなく、それについては一安心している。
一方で
「あ……んん……」
武骨な見た目に相反し、私の怖がることは決してしない彼のソフトタッチに
柔らかなそれが嬉しいという気持ちの反面、最近では際どいところまで、もっとして欲しいという思いの方が強くなってきた。
（それに……）
夜、目を
もちろん、それだけで引いてくれる微熱ではなくて、最後まで致す妄想ばかりしてしまっていた。
「なんか、余計なこと考えてる？」
「ひゃっ！」
彼は私の思考なんてお見通しなのか、私のお尻をきゅうっと鷲掴みにしてしまう。
「声、大きい」
「……っ！」
耳元で囁かれたそれは、吐息が私の羞恥心をくすぐり、腰から力が抜けそうになった。
緊張してつい力んでしまい、彼の手をお尻で挟んでしまう。
彼は苦笑したから、それが余計に恥ずかしい。
「ん、あぁ……」
するり、と。スカートの裾に潜り込んできた指。ショーツの上から、クロッチをなぞる。
「あ、う……」
お尻を撫でられただけ。
耳に吐息をかけられただけなのに。
そこはしっとりとぬかるみ、武骨な指で暴かれる。
（どうしよう……最近すぐに濡れちゃうよぉ……っ！）
どうにでもされたくなる恥ずかしさと、実はまだろくに自己紹介もしていない人に身体を弄ばれている背徳感に
ぐるぐると駆け巡る私の思考をよそに、彼の指はクロッチをかきわけ、直接秘部に触れた。
「……ぁっ！」
温い外気に触れたアソコは、自分でも蕩けてしまうのではと思うほど熱くなっていると思う。
――くちゅ……にゅるっ
きっと耳をそばだてれば聞こえてしまうかもしれない嫌らしい水音。
ばらばらに動く指は、私のクリトリスをあっという間にとらえてしまう。
「んくっ……はぅぅ……っ！」
咄嗟に手で口元を覆ったけれど、抵抗するにはもう遅い。
彼の指はやわやわと顔を覗かせているであろうそれに、感触を楽しむようにすりすりと先端をノックする。
薄い、粘膜にも等しい敏感なそこは柔い刺激のむず痒さについ腰が動きそうになるけれど、当然彼は逃げるのを阻む。
――しゅり、しゅりっ！ くりゅくりゅ……
（あぁ……そんな優しくっ！ やだ、これ以上濡れたら……っ）
ゆっくりゆっくり、円を描くように。
指の腹に柔らかな力を込めて、撫でる動作から徐々にこねくり回すようなそれになり――突然ぎゅっと潰された。
