恋のはじまり

忘れられなかった人

「……っ!」

 一糸まとわぬ姿で、自分でも見たことがないような部位を見られて。

 顔から火が出そうなほど、どうしようもなく恥ずかしいのに、

縁から視線を外すことができない。

「そんな不安そうな顔するなよ。ちゃんと気持ち良くさせるって」

 別にそれを疑ったつもりなんてないのに、縁はふっと笑った。そして、

「直接、するからな」

 私の静止も聞くことなく、くちゅっとはしたなく熟れたそこに口が付けられた。

「だめっ! そんな、そこはぁっ!」

 ――にゅぷっ! ちゅる、くちくちくちゅ

 伸ばされた舌がゆるく反応し始めていたクリトリスをゆっくりとなぞる。

ざらついた舌の腹が潰すようにクリを擦るから、

くすぐったいような、むず痒いような気持ちを掻き立てられ声を我慢することができない。

「ああっ! ひっ! あぁあん!」

 正直、舌でそこを愛されることに経験なんてなくて。

だから、粘膜同士が擦り合う生々しさに耐えられず、思わず腰が逃げてしまう。

けれど、縁はそんなことは許さないとばかりにがっちりと足を固定してきた。

「こら。逃げんなよ」

 ――にゅぷっ! ぬぽっ!

「あぁっ! やっ! ナカまで、そんなとこ舐めちゃやだぁっ!」

 尖らせた舌がぢゅぼぢゅぼと嫌らしい水音を立てながら、

激しくかき回すようにナカへ挿入する。

そして、こぽりとあふれた愛液をすくい取り、そのままクリトリスへ擦り付けた。

 ――にちゅっ! にちゅっにちゅっ……くちゅうっ!

「あぁ! やぁああっ! それすごいよぉっ!」

 愛液の滑りを借りてにゅるにゅるとうごめく舌はまるで別の生き物みたいにクリを責める。

 散々気持ち良く高められてきたクリトリスはまるまると充血していて、

たっぷりの唾液と愛液をまぶされただけでもおかしくなりそうなのに、

しつこくしつこくにゅるにゅると追いかけまわされた。

「ああああっ! やぁっ! もぉ、イっちゃうぅ!」

 ――にゅぷっ! ちゅぽちゅぽ……にゅるるるるっ!

 高められた快楽に私の息が上がるのに反し、固くなったクリの感触を楽しむように、

舌の動きは緩慢かんまんになる。

先端を優しく、潰すような動きで舌が這ったとき、

びくんっと体が仰け反った。

「ああああああっ!」

 優しく、くすぐるような刺激だったのに。

私は意図せず、突然イかされてしまった。

 自分でも何が起きたのかわけがわからず、

ただ茫然と上がった息を潜めようとすると縁がふっと笑った。

「柔い刺激でイかされるの、初めてみたいだな。
ガンガンやられるのと違って、イったのに疼いて仕方がないだろ?」

「あ、あぁ……っ! 嘘……やぁああああっ!」

 達したはずなのに、もどかしく疼く下腹部。

ぜんぜんすっきりとしたそれではなくて、

一層に激しくいじめられたくて、ナカがきゅんきゅんと収縮する。

 縁は手玉をとるようにその全てをわかっていて、

達してからさらに快楽に従順になったクリを唇で包むように食み、ちゅぽちゅぽと弄ぶ。

「ああああっ! だめだめだめ、イったばっかりだからぁあああっ!」

 さっきとはまた全然違う、ぞわぞわとする快楽の波。

「イく、またイっちゃうぅ! やだ、やだぁああっ」

 それはまさしく、未知の刺激で。

 気持ち良すぎて怖いという私の気持を放って置いて、

縁はクリトリスをきつく吸い上げ、

同時にナカに指を挿入した。

 ――ぬぷっ! ぬぷぷぷっ!

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