「
「え?うん、もちろん」
「明日さ、二人で学校ズル休みしようよ」
「は?何言ってんの?どういう事?」
「まぁ、うんとね…それは明日になってからのお楽しみ!」
香菜は溜息をついた。
そして、すっと息を吸い込むと、
「あのさ、ふざけないでよ!そんなの駄目に決まってるじゃない!」
香菜が陸を叱る事は、よくある事であったのだが、それでも彼は彼女の高く大きな声には未だに馴れなかった。
「いや、そうだけどさ、きっと大丈夫でしょ?」
「何がさ!」
「だって具合が悪いって…そう、具合が悪いって言えば大丈夫だよ、泉先生の事だから追試とかしてくれるでしょ?」
「そうかも知れないけど、で、一体何をしたいの?」
「だから明日のお楽しみだって」
「理由を話せないのなら無理です!」
香菜ははっきりとそう言い放った。
………
………
………
陸も参ったと思って、ズル休みをしたい理由を話した。
「はぁ?!馬鹿じゃないの!」
「そんなに怒らないでよ」
「だってそんな事したら…」
「でもやっぱり初体験は普通じゃない事したいと思ったからさ」
「だからって教室でエッチなんて出来ないよ」
「出来るよ、大丈夫。明日の体育の時間にこっそりとみんなの居ない教室に入って、その時にすれば良いんだよ」
「でももしバレたら?」
香菜はそう聞いて、不図今の自分が妙に興奮していた事に驚いた。
その興奮というのは、陸に対する怒りではなく、誰も居ない教室で彼とセックスをする事に対しての、一種の好奇心のためであった。
「バレないよ」
「でも、もし教室の前をたまたま通った先生に見られたりしたら?」
「その時はその時でまた何か考えるよ」
香菜は自分の頭とは反対に勝手に心臓がバクバクと鼓動している。
明らかに身内がジワジワと熱くなるのを感じた。
結局香菜は、陸の要求を承諾してしまった。
明日の9時55分、体育の始まる時間に、玄関前へ集合。
電話を切った。
先程の胸の奥から沸き起こってきた興奮は、未だ冷める事なく、寧ろ頭の中で陸との淫靡な想像をしていた。
(本当にやるのかな?本当に?大丈夫かな?)
香菜は何度もシュミレーションして、しかし成功する確信は持てなかった。
やっぱり止めた方が良いのではないか?そんな風に思うと、途端に香菜の体の内奥に潜む思春期特有の性欲がそれを掻き消してしまう。
陸の”あれ”はどんな物なのだろうか?大きいのかな?
陸のあれ”が、自分の中に静かに入り込んで来る…彼の荒々しい息遣いが耳元に聞こえてくる…彼の腰の激しい運動に、私は体を痙攣させて…