今年から、祝日がないクリスマス。
毎年天皇誕生日で祝日になっていたけれども、
令和天皇が発足して、学生たちや祝日休み社会人は休みを取れなく、
恋人と会う時間も少なくなっただろう。
この恋人もその影響を受けた。
去年、おととしは互いに付き合っていた人と長く一緒にいたが、今年からは違う。
わずかな時間も愛おしくなる。
「土浦くん!」
玲菜は待ち合わせをしていた時間より30分も早く着いた。
そこにはすでに翔太がいた。
「あ、おー、坂口。早かったな」
「あはは、それは土浦くんもだよー」
「俺はいいんだよ」
そう言って玲菜の頭をポンと軽くたたいた翔太。
「…にしても……」
「?」
―その短いスカートはなんだ!!!
心の中で思う翔太。
細くてわりとしっかり適度についている足のお肉。
すらりとしていて触れたくなる。
「土浦くん?」
「!!いや、見てるわけじゃなくて…!!」
「?」
「……可愛いな」
「!」
つい、口に出てしまった翔太。
あまりの恥ずかしさに「いこう」と言って玲菜から視線をそらした。
その言葉をしっかりと聞いた玲菜は、うれしくって心がキューっと苦しくなってときめいた。
今までこんな気持ちにはなったことがなかった玲菜。
―土浦くんに可愛いって…やばい!
特別国宝級にかっこいいわけではないが、
男気があって優しくって、まさに玲菜のツボを押さえている翔太。
並んで歩いていると、どこか距離があった。
ぎこちない二人は手もつなげずに歩いている。
お互いに恋人ができたことは初めてではなかった。
なのだがこの緊張感。
半端ない。