………
………
………
あの日以来、あたしは極端に流星といれなくなった。
顔も見れない。
流星だけをみたいのに、邪魔が入る。
「おはよう、栗原さん」
「…………おはよ」
毎朝「栗原さん」とか言いながら一緒に学校に通うようになった。
それから流星もるるちゃんも来ない。
本当に迷惑。
「迷惑………って顔だ」
この裏表人間が!!
「うっさい」
そんな風に言うと、入ってくるのは母親。
「こーら。彼氏に向かって何を言うの。」
「知らん」
「可愛げがなくてごめんねー?」
「そこもいいんです」
「黙れよ二人!」
和気あいあい、と見えるだろうか。
見えるだろう。
「いってきます」
「いってらっしゃーい!」
あたしたちは家を後にした。
歩いていると、手を出される。
拒否をすれば、あいつの名前を呼ぼうとする。
それがいやだから…………
だから仕方なく手をつなぐんだ。
もうわかってるよ。
………
………
「おはよーゆき!健人!」
「おは。るる」
健人くんはいいよ。
普通にすれば。
あたしは今更…………戻れないんだ。
るるちゃんのところも、流星のところも。
もうあたしの居場所じゃないんだ。
だからあたし…………健人くんを完璧に遮断出来ないんだよね。
居場所をくれるから。
健人くんは確かにひどいし裏表激しいし、性格悪いしうそばっかりだし。
………
けど違うところと言ったら…………
「?俺がいないと寂しいの?」
「!!!」
あたしの教室を出ようとした健人くんの腕をつかんでいた。
「さっさと教室行ってしまえ!!!!」
少しだけ恥ずかしいけど、憎まれ口をたたきやすい。
…………
そっか。
なんか似てると思った。
健人くんは、流星に、本当に本当に似ているんだ―…………。