マニアック

お酒の力……最高い気持ちいいセックス

あたしのストレス解消法は、一つ。

歌を歌うことだ。

大声で張って、

全身で歌うのだ。

けれども最近はあまり歌えない。

なにせコロナウイルスの影響があるから。

個人でライブをするのであれば

その経営しているライブハウスの偉い人と個人的な関係をしなければならない。

それは最悪のことととらえていた。

ただ唯一の救いがあたしにはあった。

彼氏がいること。

彼はなんでも許してくれるし、助けてもくれる。

こんないいひと他にはいない。

誰よりもあたしを理解してくれて、

誰よりもあたしを大切にしてくれる。

あぁ、あたしは恵まれているんだなーっとぼんやりと考えていた。
………

………
あれ…………

なんか誰かがあたしの部屋に入ってきた。

だれだ。

というかなんであたしこんなにぼんやりしてるんだ??

確か…………彼氏とあたしの部屋で一緒に眠っていて…………

あ、そうそう。

なんだか妙に眠たくなってそのままだった。

 

「ん…………」

重い瞼を開いてみると、そこには彼氏ともう一人、男性がいた。

「あー起きた起きた」

知らない方の男性があたしの近くに来た。

「ひよりちゃん、だっけ?俺はケント。よろしく~」

「誰?」

「だからケントだって」

「あなたには聞いていない。ねぇ、咲夜さくや!」

彼氏の咲夜に話しかけるが、ニヤニヤしているだけ。

どうして?
………

………
というか見渡せばここはあたしのレコーディング室だ。

咲夜の知り合いから借りてる部屋。

なんでここにあたしいるの!?

そしてこのケントって人はなんであたしの前にいるの!?

「あ、ごめんねーひより。でもこれ見て」

パソコンを持って近寄る咲夜。

ここであたしはベッドに両手が縛られていることに気付いた。

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