マニアック

媚薬

「寒い―」

吐く息が白い中、みづきはマフラーやコートの重装備をして、彼氏のマンションの前に立っていた。

なぜかと言うと、彼氏に「待ってて」と言われたからだ。

「いくらあたしが寒さに強いって言ってたけど、これはさすがに待たせすぎ!!!」

彼女はマンションの玄関に入って、部屋の番号を入力してインターフォンを鳴らした。

それに反応はない。

仕方ないので連打するとスマートフォンが鳴る。

「ちょっと寒すぎ!!」

それだけ開口一番言うと玄関が開いた。

電話は切れていて、寒さに耐えられないみづきはそそくさと部屋に入る。

次に部屋のインターフォンを鳴らした。

少ししてからガチャリとゆっくり扉が開いた。

「寒かった?」

「なんのプレイなのさ!寒すぎる!!」

彼氏を押し込んで中へ入ったみづき。

暖房の暖かさに酔いしれている。

「みづきさ、いつも寒いの大丈夫しか言わないじゃん?」

「理由がそれならぶっ飛ばすよ」

「正解!みづきがさむがってくれないとだめかなーって」

「この部屋燃やしてやろうか」

「その前に俺を燃やしてよ」

「へ?」

 

ストーブの前に陣取っていたみづきは、後ろに立った彼氏を振り返ってみた。

そうすれば唇を重ねられる。

唇からも暖かさが伝わってきて夢中でキスをするみづき。

唾液交じりに濃厚で深いキスをしている。

離れるころには銀の糸が紡がれていた。

「っは‥」

「やっぱり」

「なに??」

彼氏は回答を言わずにさらにキスをした。

みづきは彼氏の暖かさにすがろうと必死に抱き着いた。

それから彼氏の手はするりと服を脱がせにはいる。

冷え切ったきづきの肌が気持ちよく感じる彼氏こと、颯太そうた

唇をまた離すと、すでに息が上がっているみづきだ。

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