いつだって誰かからの視線は感じていた。
登校中も、授業中も、休み時間も。
よくわからないけど誰かの視線を強く感じている日々が続いていた。
けれどもそれが誰の視線なのかは知らない。
そう、この日までは―‥‥‥
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「「じゃーんけーんしょ!!!」」
あたしが高校卒業を迎える日の前日の夜。
卒業生と担任の教師と、一部集まってレクリエーションをやろうとなった。
この先大人になるあたしたちは、今しかできないことをやろうと話した。
結果、かくれんぼ。
難しそうで、でもかんたんではないこの遊び。
ワクワクしながら7人でじゃんけんをした。
「あ、俺鬼だーー!!」
学校一のイケメンと称される男子の
彼が鬼だった。
目を隠して体育館からスタートになる。
あたしは絶対に見つかりたくないから、予想外なところを攻めた。
それは鬼の創くんがいるこの体育館。
ここなら意外に最後までバレなさそう。
なんでこんなにむきになるのって?
それはね、優勝者にはすてきなプレゼントがあるからなの!
「いーーち、にーい!」
数えだした時からそろりそろりと、体育館のマットレス置き場に身を潜めた。
(ここなら絶対にバレない!!優勝はあたしのものだーーっ!!)
心の中であたしはガッツポーズをした。
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