ラブラブ

みだらな恰好

季節は夏。

じわじわと暑くなり始めた今日この頃。

あたしは大好きな彼氏の秋也しゅうやと夏祭りに行くために、お気に入りの浴衣をクローゼットから出している。

「初めての夏祭りデートだし‥‥‥何色にしようかな」

秋也は大柄の模様が好きだと言う。

秋也の好きな色は青色だと言う。

二着ほど、候補があるのだが、どっちにしようかずっと悩んでいた。

せっかくの夜だし、好きな色は暗くて見えないだろうし、

どうせなら大柄の模様で行こう!!

あたしはそそくさと着替えて待ち合わせ場所に急いだ。

‥‥‥

‥‥‥

‥‥‥

待ち合わせ場所は札駅の南口のオブジェの前。

そこから二人で歩いてお祭りのやっているところに行くんだ。

はなーー!!」

かっこいいあたしの彼氏の秋也だ。

 

「ごめんね秋也、待った??」

「いいや、全然。あ、可愛いな。似合ってる」

「へへへ。秋也の好きな柄だと思ってさ」

「‥‥‥じゃ、行こっか」

なんか‥‥‥反応が薄くない!?
………

………
めちゃくちゃ可愛いって連発してもらえると思ったのに、なんか違う。

そしてあたしたちがたどり着いたのは、なんとラブホテル。

 

秋也が連れてきたいと言っていたのは‥‥‥ここ!!??

「こっちに窓あるから」

ついて行くと、閉めていたカーテンを一気に開いた。

「‥‥‥うわあ‥‥‥」

そこには花火が一望できる窓。

「めちゃくちゃきれ―!!札幌でこんなにきれいに花火が見れるなんて!!!」

「ははっ。可愛いな」

「なんかごめんね。少しラブホテルに来てびっくりしちゃった」

「いいよ」

「ありがとう!!」

あたしは嬉しくって嬉しくってたまらない。

笑顔でお礼を言えば、あたしの頭の中で「お礼しなきゃ」と言った。

 

「お礼したい!」

「‥‥‥これでいいよ」

「へ?」

ゆっくり秋也はあたしの頬を両手で包んで、優しくキスをしてきた。

心地いい。しかもラブホテルでキスとかちょっと官能的。

目を閉じてキスを堪能すれば、次第に秋也の手は服をまさぐり始めた。

つーっと背筋をなぞられればいやらしい気持ちになる。

「んっ」

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