インターネットには色んな性癖が溢れかえっていると常々思う。
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大手の掲示板ではフェチごとに細かくスレッドが分けられていて、共通のフェチを持つ人たちが日夜楽しく語り合っている。マッチングアプリがまさにそれだ。
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私もこんな風に責められたい、そう思ったのは最近の事ではなかった。
前々から女の体で一番敏感な一点をしつこく愛撫されたいと思っていた。
けれど、自分からクリトリスをもっといじめてほしいなんて、とてもじゃないけど今までの彼氏には恥ずかしくて言えなかったし、彼氏もいない今は1人悶々とした気持ちを飲み込んで寂しく眠るしかない。
そうして今夜も1人、下半身を
出会い系サイト、と言うと聞こえは悪いが単なるセックス相手を募るものではない。
より深く同じ趣味の相手を探せるらしい、少々アブノーマルな雰囲気の漂うSNSだった。
「初めて登録します」と前置きを書いた上で、クリトリス責めに興味が有ること、あまりハードな内容は経験が無いこと等を震える手で打ち込んだ。
それから数時間も経ってないだろう、トオルという1人の男性からレスポンスが来た。
本名なのかはわからない。しかしそんな事はどうでもいい。
(写メも結構かっこいいし、何より好みが合う…)
すぐにアドレスを教え合い、互いに時間を見つけては色々な話をした。
数ヶ月に渡りお互いのことをたくさん話して、そして、とうとう実際に合うことになった。
待ち合わせ場所は二人の家からほど近い繁華街。
少し道に入ればいくつものラブホテルが並ぶ歓楽街である。
先に着いたのは里奈の方だった。
(少し早かったかな、期待し過ぎてると思われたらどうしよう)
今更ながらいざとなると羞恥心が沸き起こる。
なんとなく道行く人に顔を見られる事に軽い抵抗を感じ俯いた。
その時、私の目の前で背の高い男性が1人、足を止めた。
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「あの…里奈さん?」
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「…トオルさん、ですか?」
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待った?いいえ、さっき着いたばかり、等とあたりさわりのないやりとりをしながらどちらともなく歩き出した。
二人がそそくさと入ったのは綺麗な内装とアメニティの充実で口コミサイトでも人気のホテル。
大きなパネルの前で部屋を選びながら、彼は少々気まずそうに口を開く。
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「本当に大丈夫?」
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「大丈夫です。あの…トオルさんこそ、大丈夫?」
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実際に会ってガッカリしたとか、気が変わったとかなら…とモジモジ話す私を見て、彼はふ、と笑った。そしていきなりのキス。
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「里奈さん、写メより可愛いし凄く楽しみ」