「笹尾さんってそれ好きですよね。いつも飲んでたの覚えてます」
「好きだよ」
私に向けられた言葉ではないのにビクンと全身が反応してしまった。
濡れたままの髪でいるのは気が引けるため、彼に断りを入れて部屋の片隅でドライヤーをかけることにした。
ドライヤーの大きな音が私の思考を停止させて、無心へと近づける。
「え?」
持っていたドライヤーが奪われて、振り向くと彼が後ろにいた。
「やる」
声は聞こえなかったけれど、彼の唇はそんな風に動いた。
そうして優しく丁寧な手つきで髪を乾かしてくれた。
手持ち無沙汰の私は、時折彼の脚に触れてみた。
5分過ぎて、部屋が無音を取り戻す。
髪にはいつもより艶があった。
「ありがとうございます」
すると私の体が僅かに浮いて、彼の方へ引き寄せられた。
ピッタリと密着して背中から彼の筋肉や骨の凹凸が伝わる。
こんなにも強く抱きしめれたことは今までになかったように思う。
「笹尾さん…」
我慢できずに、首を回してキスをした。
彼の甘い唇が美味しくて私は舐めるように舌を這わせた。
唇と舌に夢中になっているうちにやがて彼の手の力は抜けてきて私は彼と向き合った。
「こんなことしても笹尾さん大丈夫なんですか…」
「全然大丈夫じゃないよ」
始めてしまう前にやっぱり聞いておきたかった。
知らないまま関係を持ってしまったら後悔すると分かっていたから。
「奥さんがいるってことですか」
悲しい顔を見せたくなかった私は彼の肩に顎を乗せた。
「え、そういうこと?」
「はい」
「いないよ。結婚したことないし、彼女とかいないよ」
肩から顎を外して、彼の顔を見つめた。
「大丈夫じゃないってどういう意味だったんですか」
「それは…察して」
私の唇を覆うように彼の唇が重なった。
背中に添えられていた手が胸の方へやってくる。
服の上から優しくつかまれた乳房が上下に揺れた。
「笹尾さんのこと、下の名前で呼んでもいいですか」
「名前知ってるの?」
「大輝…さん」
そう呼ぶと彼の顔が優しくなったように見えた。
そしてワンピースが捲り上げられ、熱くなった彼の手が腹部から乳房へと上昇する。
「俺も、絵梨って呼んでもいい?」
「もちろん」
息を交換しながら言った。
彼は私の乳房を撫でまわしながら指と指の間に挟んだ乳首に快感を与える。
「大輝さん、ベッド…行きたい」
「行こ」
彼はベッドに来る途中にシャツを脱いだ。
男らしいのに色気が漂う胴体はどの角度から見ても美しかった。
ベッドに座ると彼が荒っぽく唇を重ねてきて、ベッドに押し倒された。
何を考えているのか分からないような彼は消えていた。
ただ私を求めて、熱を持った瞳が私を捕らえている。
それからキスをしながら、着ていた服は脱がされた。
素肌が重なり合った私たちは手を繋ぎながら激しく舌を絡め合った。
彼のもう一方の手は円を描くように乳房を愛撫する。
キスと愛撫が気持ち良くてアソコが濡れた。
何度読んでもエッチな気分になれるお気に入りストーリーです。笹尾さんファン。今度ちゃんと言ってほしい!続きがあると嬉しいです。