不倫・禁断の恋

愛がある人に気付かない①

「さっちゃん。こっち来て」

「‥‥‥」

「知ってる?俺、さっちゃんが‥‥さっちゃんだけがずっと好きなんだ」

「‥‥‥!」

「今更‥‥なのはわかってる。けど俺はさっちゃんだけがいい。桜井家の真似もしない。好きだ。頼むから、死なないでくれ‥‥俺の人生にお前がいないと色もつかないし、生きた心地もしない。俺がさっちゃんだけを支えていくから。だから、‥‥‥おいで?」

その優しくて言葉言葉に聞こえてきて、あたしの胸に響いた。

 

あぁ、あたしは‥‥‥まなぶが良かったのに‥‥‥

なんであたしはまなぶじゃなかったんだろう。

あたしはまなぶのその胸に飛び込んだ。

「うぁわあああん!!!」

「いい子だ、さっちゃん」

「ひっく、あたし、まなぶが、いいのに‥‥‥なんで‥‥こんなに歳月経って‥‥‥」

「‥‥‥今からだよ。おかえり、さっちゃん」

「~~~~っ」

抱きしめられると、そのまま抱えられた。今じゃお姫様抱っこ状態。

ゆっくりと落ち着いて、あたしは眠った。

(ここは‥‥‥どこ?)

甘い匂いが部屋中にある。この香りは‥‥

「まな‥‥‥ぶ?」

あたしが知る、昔の香水の匂いだ。

「起きたか?」

「あ、うん、‥‥‥」

気まずそうにしていれば、ゆっくりとハグをしてくれて、それからキスをくれた。

噛みつくキス。これは大人のキスだ。

唾液が混じって一つになろうと、舌をねじ込んであたしたちは、初めて両想いとなって幸せをかみしめる。

「っふ‥‥」

まなぶの舌はどんどん下がっていく。

胸を過ぎて、鎖骨を過ぎて、胸をやんわりともまれながら乳首に歯を立てた。

「んっ」

「大丈夫?甘噛みだから」

ゾクゾクした。

あたしの隣で幸せそうな笑みを浮かべているまなぶに。

こんなまなぶは知らない。

けど、好きだって心が言う。

ぐちゃぐちゃな顔であたしたちは、空いていた歳月を取り戻すかのようにキスをしていた。

 

まなぶの指が乳首をかすめれば、いじらしく感じた。

まなぶとこんなことするなんて、信じられない。

あ、ううん、嫌な意味じゃなくて、幸せに感じられる。

好き。あたし‥‥‥あぁ、あたしこんなにもまなぶが好きだったんだ。

恋愛対象で、心から許せる人。

まなぶみたいに素敵な男性を、あたしは逃しそうにしていた。

今は手を伸ばせば届くんだ。

ぐにっと予想以上に乳首を指でつままれてはコリコリとされて、

ほんとうのあたしの甘い声が響く。

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