いつもベットで背術をお願いしちゃうから、対面することはあまりなくて。
そのせいか、見上げないと見えない顔や広い肩幅、分厚い胸板を目前に改めて体格差を感じる。
そして、こんなに男らしい体躯なのに精神的主導権が私にあるという状況に
くい、と
………
………
「私、雄司君じゃないと満足できない身体になっちゃったようだけど……責任とってくれる?」
イタズラっぽく笑うと、笑って返してくれると思ったのに。
「…………」
雄司君はすんっと真顔になり、言葉を失ってフリーズした。
やばい、スベった?!
てか、いくら慕ってくれる雰囲気の男の子でもひく?!
「……史華さん。俺、
みにしてもいいですか」
「うん、もちろん」
やっと、視線が合った気がした。
雄司君が照れたように笑うのが可愛くて、いつのまにか自分の中から毒が抜けていくような……
じんわりと癒されるのを感じる。
「なんか……雄司君のおかげで明日も仕事頑張れそう」
「え、俺のセリフっすよ。一方的に慰められたっつーか」
「そんなことないよ。雄司君といるとすっごく癒されるもん」
今ならホストに狂う女の人たちの気持ちがめちゃくちゃわかる。
「……あの、ホントは店外ってダメなんスけど、マッサージさせて欲しいです。今から」
「え……いいの?」
「俺、史華さんが店に来なくなってからマジで凹んで、他のスタッフからツッコまれるくらい支障でてたっぽくて……ホントに会いたかったんスよ……!」
熱っぽいそれが、単純に患者への心配じゃないことくらい私にだってわかる。
このまま離れたくないと、まっすぐな視線で射抜かれて、拒否をする理由など持ち合わせていなかった。
………
………
………
「はぁ、んっ、んんっ……!」
雄司君を家にあげるなら、どんなに忙しくても死ぬ気で部屋を掃除しておきたかった――
後悔先に立たずとはよく言ったものだ。
とはいえ、多分部屋の状態なんて雄司君は気にしていないと思う。
その場から私の家のが近いと言う事で、家に上がってもらうことになり、私は自身のベットで最高のマッサージを受けている。
「……っ! 史華さん、その……店じゃ言わなかったんスけど」
「あぁっ! んっ、あん、そこ、すごぉい……え、なに?」
「声が、エロいです」
「だってぇ、気持ちいいんだもん……」
声を我慢すると力んでしまうからばんばん出して、とは前の担当さんからのアドバイス。
「う、うるさかった?」
「……すんません。この後に及んでアレなんですが、オカズにしてました」
「お……、え?」
はてなマークが頭に浮かんで手を繋いで踊る。
状況も相まって、はた、と行き着くそれは正解とは言い難い気がしたが……
彼の身体の反応が答えだ。