甘く、解される

　マッサージをされている時から雄司君の大きな掌が好きだった。

大胆で、絶妙な力加減で私を癒してくれる……

だから、こんなふうに私を切なく追い詰める彼は想像の範囲外で。

　可愛い笑みが特徴的な彼はなりを顰（ひそ）め、男性の顔つきで見据えられると色香（いろか）に酔いそうになる。

　恥ずかしがる私を安心させるように仕掛けられるキス。

何度も啄（ついば）むように重ねる一方でその手は私の腰を捉え、下着もまとめて脱がされてしまう。

「はは……史華さん、やっぱ感じやすいんだね……」

　往生際悪く膝を擦り合わす私の足は最も簡単に開かされ、潤みきった秘部が晒（さら）される。
………

………
「……っ！　み、ないでぇ……」

「いや無理……」

　不躾（ぶしつけ）とも言える視線にひくんひくんと反応してしまい、またとろりと蜜が溢（あふ）れる。

「は、かわい……」

　雄司君は太ももの付け根に舌を這わせ、ゆっくりとそこを目指す。

「あう……あぁ、んんっ……」

「ん、ちゅ……肌すべすべ……太もももむっちりで気持ちいー」

「や……！　太いの、気にしてるのに！」

　足の間にある雄司君の顔を太ももでむにゅんと挟めば、嬉しそうにくふふ、と笑った。

「なんスかその抵抗。可愛すぎ」

「むー……あっ！　やんっ！　噛んだぁっ」

　ちゅっちゅ、と大きな音を立てて付けられた痕（あと）。

じわじわと紅くなるそれは私の白い肌に花が咲いたみたいにきれいで、雄司君は柔（やわ）く歯を立てる様を私に見せつける。

(あぁ、私……本当に食べられちゃうんだ……)

　今更すぎる現実。遅すぎた自覚。

そして、どうしようもない期待。

　ぬるり、と大胆に伸ばされた舌が隘路（あいろ）を伝い、ぬかるみを割る。

「ひ、ぅううっ、あぁっ」

　熱い舌が私の弱いところをなぞるとどうしようもない羞恥心で体が熱くなる。

とりわけ顕著（けんちょ）になる顔を隠したけれど、きっとなんの意味もない。

　ぴちゃぴちゃと耳を塞ぎたくなる粘着質な水音。

ゆっくりと味わうような舌は隠しようもなく丸々と膨（ふく）れた一点を捉える。
………

………

「ぁあっ！　ふ、やぁっ」

「ん、ここ、好き？」

　――ちゅっちゅっ……れろれろ……

「あぁあああっ！　ぺろぺろだめぇっ」

　飴玉を転がすように優しく舐められると体の内側からとろとろに溶かされそうな気分になる。

優しく皮を剥くようにちゅむっと唇で覆われると、堪らず身体を捩（よじ）ってしまった。

「めちゃくちゃ感じてんじゃん……なんでダメなの？」

　雄司君は見せつけるようにわざと舌の動きを緩慢（かんまん）にした。

「よ、弱いのっ！　そこ、ダメになっちゃうからぁっ」

「んー。じゃあもっと優しくするね」

　ぐいっと小陰唇（しょういんしん）を持ち上げ、ぷるんっと簡単に露出してしまった陰核（いんかく）。

ふぅっと息を吹きかけられただけなのに、腰がびくんと反ってしまう。