マニアック

AVごっこ

菜摘は午前中に出来るだけの家事はすべてしてしまって、簡単にお昼ごはんを食べて、急いで直樹の部屋に入った。

部屋は非常に綺麗に掃除されていて、机の上には大きなパソコンが置いてあった。

直樹は仕事用とプライベート用の2つのパソコンを持っていて、プライベート用のやつでAVを見たりしていた。

菜摘はそれを開いて、一体どこで知ったのかロックを容易たやすく解除してしまうと、履歴を調べた。

そこにはズラリと様々な種類のものが並んでいて、その中でも多かったのは家庭教師、担任の先生、看護師に童貞を奪われる、というものだった。

「うわ、わたしの知らない所でこんなに見てたんだ。最近が一週間前で…あー、それでも凄い見てるじゃん」

直樹が隠れてAVを見ているのに気付いたのは、実は結構前のことで、それが確実となってからは、とにかく悔しくて悔しくて仕方がなかった。

なんでこんなにAVを見てるの?わたしがいるじゃん、わたしが!それなのに…意味わからない…
………

………
菜摘は自分の体に非常に自身があった。

仮に有名なモデルの代わりに写真を撮らせてくれないかと頼まれれば、絶対に読者の期待を裏切ることはないと思っていた。

大きな乳房に綺麗なくびれ、長くて肉付きのいい脚にふっくらしたお尻。

実際直樹も、菜摘の好きな所を聞かれて口には出さぬが、真っ先に菜摘の均整の取れた肉体を想像するのだった。

それなのに、直樹は菜摘に隠れてこんなものを見ている。

菜摘ははじめは不愉快になって、何とか言って糾弾してAVを見るのを止めさせようかと考えたが、

その頃、ちょうど彼とエッチをして、自分自身も何だか物足りない気がして、それから考え方をガラリと変えたのだった。

AVを見させたくないのなら、自分たちでホントにAVを再現して見れば良いのでは…?

昔、ある有名野球選手がいて、彼は家に妻がいるのに、ソープランドに毎晩のように行っていたという。

妻がそれを指摘すると、

「ソープランドは浮気じゃない、性処理だよ」

と言って開き直った。

その発言に妻は怒ることなく、むしろいい度胸してるじゃないと感嘆して、ならわたしがソープ嬢になれば良い、そう思って色々勉強して、マットを買って、

ある日の晩、いつものように帰って来た夫を出迎えてそのまま浴室に案内すると、

「ほら、ソープランドよ。そこに座って」

と言ってソープごっこをしたのだとか。

そしてそれ以来夫はソープランドには行かなくなったらしい。

という話を菜摘はどこかで聞いたか読んだかのを覚えていた。
………

………
菜摘は履歴の中から、一つ選び出してそれを見てみた。

看護師が夜の病室に忍び込んで、何かの病気で入院していた童貞を誘ってエッチするという内容だった。

菜摘はそれを二三回見てから、早速ダイソーに行ってナースのコスプレを買って来た。

それには衣装の他に玩具の聴診器と注射器があった。

時計を見ると、もう16時を過ぎていた。

直樹は早くて18時頃に帰って来るだろう。

菜摘の作った夕飯を食べて、テレビを見ながら少しの間ボンヤリして、それからお風呂に入って寝てしまう。

そのお風呂から上がって来た時に、ナースのコスプレをした菜摘が彼を迎えて、そこからプレイがスタートする。

菜摘はなるべく仔細しさいにその手順を思い浮かべて見て、直樹が自分に調教されて喜んでいる姿も想像して、きっとこれは成功するなと直感だけで確信した。

菜摘は心を躍らせながらコスプレを部屋に隠して、ニッコニコで急ぎ足に台所へ向かって夕飯の準備に取り掛かった。

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