僕には秘密がある。
誰にも話をしたことがない秘密。
一生心の中に閉じ込めて知らないふりをする。
そのためならなんでもやる。
例えそれが間違った判断だとしても、だ。
けどこれを読むあなたには知っていてほしい。
僕は‥‥‥
だけど僕には立派なペニスがある。
性的欲求があれば勃起だってする。
そうだけど‥‥‥僕には好きな人ができた。
それは‥‥‥相手は男だ。
幼いころから女のかっこうをしている僕にも優しいし、
秘密だって隠してくれる良いやつ。
女としての意識で圭太とは付き合いがあった。
そこから感情がおかしくなって、恋に落ちた。
落ちてしまったんだ。
だから今日も、一人でこっそりと部屋でマスターベーションをする。
「っ‥‥‥あ、ぃく‥‥‥」
シコシコと念入りにしごいては、目を閉じて圭太を思い出す。
圭太のペニスが僕のペニスと重なってはいやらしい気持ちでいっぱいになって、
頭が狂いそうだった。
「~~~っっ」
ドクドク、と脈をうっている僕のペニスは、我慢しきれなかった。
「うぁ!」
ビューっと亀頭から白い精液を放出した。
しかも声を少しだけ出してしまった。
バレたらまずいから、眠ったことにしよう。
慌ててズボンをはいてベッドに潜った。
少しすると母親が僕の部屋のある2階にくる足音がした。
(お母さん‥‥‥お願いだから僕に気づかないで‥‥‥お願いします‥‥‥)
祈りが通じたのか、母親が歩く足音は一向にしなかった。
フ―っと息を吐いていると、LINEの通知音が鳴った。
見ればそれは、明日一緒に買い物に行こうと誘ってくれた僕の思い人の圭太。
ドクンっといやらしい気持ちが駆け巡った。
心臓から血液を流すポンプをギリギリまで放出している。
だから僕は第二ラウンドに入った。
今度は布団の中で、そして音楽を微妙な音量で止めてリピートさせる。
「はぁ、は、ぁ、ぁあ、けい、た‥‥‥」
LINEの文章を見ながらのマスターベーションは、さみしいしか他なかった。