学生もの

部活の後で…

………

………

………

「えっ?前島?」

………

………

………

驚いたような声を上げる小山。

私も、何故止めてしまったのかわからない。

いや、わからないフリをしていた。

うつむいている私に、優しい声が落ちてくる。

「どうした?具合でも悪いのか?」

そう言って私の方に向き直った瞬間、私は、小山の顔に手を伸ばしキスをした。

小山は驚きを隠せないようで、即座に唇を離す。

「前島……」

「ごめん。私小山が好き」

汗も気にせず、その胸に抱きついた。

誰もいないという状況が、より一層私の想いに拍車をかける。

どのくらい、そうしていたのだろう。

小山の鼓動も、私と一緒に速くなる。

そんな小さな事に、謎の一体感を覚えていた。

「前島、顔上げて」

「?」

言われた通りに顔を上げると、目の前に小山の顔があった。

恥ずかしくて目を逸らしそうになったが、今度は小山の方から口付けてきた。

………

………

………

「ばか。俺の方が先に言うつもりだったのに」

照れ臭そうに言う小山。

私は思いもよらぬ言葉に我を失いそうになった。

まさか、小山の方も好きでいてくれたなんて、夢みたいだ。

より一層強く抱きついた。

小山の心音が伝わる。

一体どくらいの間、そうしていたのかわからない。

私達は何度も何度もキスを交わした。

互いの唇と唇が触れ合うだけの軽いキス。

たったそれだけなのに、頭はとろけてしまいそうで、嬉しくて。

「前島……ごめん」

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