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「えっ?前島?」
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驚いたような声を上げる小山。
私も、何故止めてしまったのかわからない。
いや、わからないフリをしていた。
「どうした?具合でも悪いのか?」
そう言って私の方に向き直った瞬間、私は、小山の顔に手を伸ばしキスをした。
小山は驚きを隠せないようで、即座に唇を離す。
「前島……」
「ごめん。私小山が好き」
汗も気にせず、その胸に抱きついた。
誰もいないという状況が、より一層私の想いに拍車をかける。
どのくらい、そうしていたのだろう。
小山の鼓動も、私と一緒に速くなる。
そんな小さな事に、謎の一体感を覚えていた。
「前島、顔上げて」
「?」
言われた通りに顔を上げると、目の前に小山の顔があった。
恥ずかしくて目を逸らしそうになったが、今度は小山の方から口付けてきた。
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「ばか。俺の方が先に言うつもりだったのに」
照れ臭そうに言う小山。
私は思いもよらぬ言葉に我を失いそうになった。
まさか、小山の方も好きでいてくれたなんて、夢みたいだ。
より一層強く抱きついた。
小山の心音が伝わる。
一体どくらいの間、そうしていたのかわからない。
私達は何度も何度もキスを交わした。
互いの唇と唇が触れ合うだけの軽いキス。
たったそれだけなのに、頭はとろけてしまいそうで、嬉しくて。
「前島……ごめん」