「ねえ、木村君」
甘えた声で舌っ足らずに名前を呼ぶと、木村は明らかに動揺する。
水樹は彼の手に自分の手を重ねて追い打ちを掛ける。
「女の子と付き合ったこと、ある?」そう問われた木村は明後日の方角へ顔を向けた。
「え、や…あの…」
(なさそうね、この感じだと…)
「…ある?」
木村は観念したのか「な、ない…です」と消え入るような声で小さく。
困り顔に水樹は興奮を覚えた。
ともすればサディスティックとも言える感情が沸き起こり、
もっと困らせたい、泣かせてみたい、支配し、主導権を握り、翻弄させ、そして…
想像しただけで興奮してくる。
緊張でガチガチに固まってしまっている木村に胸を押し当てるように密着すると
「み、、水樹さん、あの、よ、酔ってます…?」
「うん…少し、ね」
軽い嘘をついて、水樹は彼の太ももに手を這わせる。
ピク、と木村の体が小さく跳ねたが、拒絶や拒否は見られない。
ギュッと目を閉じて
「…ぁ、あ…」
思わず声が出てしまう。
厚いジーンズの上からゆっくりと、水樹の小さな手が、指が、腿の付け根へと近づいてくる。
そっと性器を撫でる。木村が喘ぐように小さく息を吐いた。
もうすでに木村のナニは大きく反応している。
ベルトとボタンを外した時、木村が恐る恐るといった態度で水樹の手を止めた。
「こま…困ります、やっぱよくないです。先輩酔ってるし、こういうの…」
「嫌じゃないくせに」
水樹は強引にチャックを下ろすと引き剥がすようにズボンを下ろした。
きっと今、意地悪な顔で笑っているという自覚はあったが
もう水樹自身、自分を止めることが出来なかった。