「これはGスポットを刺激するために開発されたアダルトグッズです。この膨らみのある側を膣に挿入するとこの突起の生えている部分がクリトリスに当たるようになってます」
「…結構小さいのね」
「ええ、Gスポットは浅い位置にあるので長さはありませんが、ピンポイントな刺激は通常のバイブを使用されるより簡単に得られますよ」
饒舌なセールスマンの様に道具の説明をする彼に感心する。
Gスポットの研究チームと言いアダルトグッズの開発と言い…自分にはまだまだ知らない世界があったのだなぁと妙な感想を抱いた。
「では、試してみましょうか」
そう
それだけで鎮まりかけていた火照りがよみがえる。
太腿に乗せられた掌が滑るように内側に回り丁寧に足を開かせると濡れた割れ目を指先で押し開く。
ぬちゃ、と愛液の粘ついた音がした。
「ローションは必要なさそうですね」
彼はそう言うと皮の中に収まりつつあった陰核を親指でツゥっと撫でる。
「はぁ…あ」
「力を抜いて無理をせずに少しずつ入れてみてください」
「あ、は、はい…」
頷いてはみたものの、足の間には彼の顔がある。
間近で見つめられながら自分で入れるなんて今までにこんな恥ずかしい事をしたことはない。
しかしこんなに興奮する事もそうそう無いだろう…優子は少しの好奇心と緊張を振りほどけないままその玩具を性器にあてがった。
「あああっ、ああっ、あっ、あっ」
入るのは一瞬のことだった。先端の膨らんだ部分が愛液のぬめりを纏いズルリと体内へ侵入するとまるで吸い込まれるかのようにすっぽりと収まってしまった。
当たるべき所をピンポイントに刺激するその形状はGスポットとクリトリスを同時に責め立てる。
まだ入れただけだというのに優子はしきりに胸を上下させ浅い呼吸を激しく繰り返しながら
「ここにスイッチがあるんです、入れてみましょう」
「はぁあっ!ああ、あ、あ…」
ヴヴヴと低いモーター音を上げて細かく振動するそれは否応なく彼女を絶頂に押し上げる。
体が勝手に
自分の手指でもなく夫のものでもなく初めて会った男が持ってきた初めて使う玩具でオーガズムを迎えるなんて…
当然相手はプロだからなにかしらの快感は得られるだろうとは思っていたもののあまりに激しい新鮮な刺激に彼女は何も考えられないまま快感に身を委ねた。
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「あぁぁっ!もう、ダメ…イ、イきそう…っ!」
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男は彼女の体を優しく撫でるだけで何も言わなかった。
「いやぁぁぁっイく、イ…ああーっ!」
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一際大きな嬌声を上げて彼女は大きく仰け反ると汗で濡れた髪を振り乱してビクンビクンと体を躍らせ、そして突然カクンと力が抜けたように動きを止める。
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「お客様がご満足頂けたようで、なによりです」
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間近に居る彼の声がとても遠くから聞こえた。