私の友達は大輝との結婚に大反対だった。
でも私は友達の反対を押し切って結婚して、結果は散々。
大輝はとにかく性欲の塊で、1日に1回はセックスをしないと気がすまない。
休日なんて最悪。
最低でも3回はしないと機嫌が悪くなる。
私が仕事で疲れていても、体調を崩していてもあいつはどうでもいいらしい。
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とにかくセックスを迫って来る。
大輝(大器)なんて名前負けもいいところ。
セックス好きなくせにいつまで経ってもド下手くそ。
下手なくせに、自分はうまいと思いこんでる。
1度耐え切れなくて、
「お店に行ってもいいよ」
と私から提案したけど、
「店の女は素性が知れないから嫌」
だとさ。
嘘だったけどね。
あちこちの風俗のお店で、女の子達に無茶苦茶な要求したり、
店外で気に入った女の子につきまとったりして出禁になったと後から知った。
店側から警察を呼ばれたことも、弁護士を派遣されたこともあったらしい。
本当に後悔ばかりの結婚だけど、たった1つだけこのクソ夫に感謝してる。
こいつからストレスをかけられまくってるおかげで、私の容姿はたった1年ですごく老けた。
おかげで変な男から声をかけられることはなくなった。
聞こえよがしに「ババア」とか言われることあるけど、
クズ共から迷惑をかけられてた時に比べればそんな悪口痛くも痒くもない。
会社の上司は優しい人で心配してくれるけど、「大丈夫です」と返してる。
それに今まで私に冷たかった女子社員さん達も親切にしてくれるし、何も不都合はない。
ある日、私は大樹と一緒に奴の実家へ行った。
大輝のひいおじいさんの法事があるとかで、
「とにかく夫婦で行かないとかっこうがつかない。親もうるさいから」
と大輝に言われて渋々。
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私は大輝の両親が苦手。
なぜなら、大輝の両親から私と大輝の結婚に大反対されたから。
大輝の家は資産家だから、私は金目当ての女と思われたのかもしれない。
他人の財産なんて興味ないっての。
大輝には妹さんが1人いるけど、結婚式で初めて会ったきり。
大輝の妹と思えないほどの美人なのに、能面みたいな顔をした人だった。