「ここどこ!?」
しかも知らない男性の、ダボダボしたTシャツとハーフパンツだ。
ちょ、落ち着きたい落ち着こう。
まず‥‥‥あたしは彼氏の了承をもとに同窓会に行きました。
函館へですよ。
そしてホテルは駅近く。
けれども‥‥‥
あたしはルーラ(DQ)でも使って知らないホテルに来たの!!!!????
「驚きすぎだろ」
その声は‥‥‥
忘れもしない。。。。
「説明してほしい、日下部くん」
日下部くんの低くてしびれるような声だ。
「まず俺が来た時には出迎えもしてくれず」
「出迎えって津川ちゃんが‥‥‥」
「探して見つけたと思えば、カウンターにべったり」
「喉が渇いてて‥‥‥」
「声かけようとしたらいきなりカルアミルクを一気飲み」
「え、お酒??」
「んでぶっ倒れて今に至る」
「ご、ごめんなさい‥‥」
「‥‥‥」
しょぼくれるあたしにあきれたのか、ため息が聞こえた。
それからいなくなるかと思っていたら、
ぽん、と頭を軽くたたかれた。
「ほんとに気をつけろよ。麻生狙いのやつら多いから」
「‥‥‥へ?」
「人気あんだよ。今も昔も」
「マドンナは津川ちゃんだよー」
「だ・か・ら、人気あってモテて、みんなから好かれてんだよ。俺を含めて」
「そんな‥‥‥こと、な、い」
あたしの頭の中を駆け回るは、日下部くんの一言。
「俺を含めて」
これってそういうこと?
攻めてもいいの?
あたし間に合うの?
けどもそうしたら彼氏は‥‥‥?
「俺さ、実は結婚してんだ」
「!?え、津川ちゃんと??」
「いや違うやつ。実はそいつはレズでさ。親の目を背けるためだけの存在なんだ」
「そんな‥‥‥」
「俺も好きな人いたけど彼氏いるから忘れようと思ってた。けどできなくて。気が付いたら同窓会の名簿見て電話してたよ」