あたしは現地について、売り込みを開始しようといろんな人に話しかけて歩いていた。
村城さんはさっきから女性に絡まれている。
ほんと天然のたらしだなぁ。
「お姉さん、なんの仕事してんすかー?」
「あ、はい!ウォーターサーバー販売です。意外に日本人ってお水にこだわりがあって‥‥‥」
これは契約とれそう!
「契約するからこっち来て。階段でサインするよ!」
「ありがとうございます!」
ウキウキと歩き出すと左手首をつかまれた。
驚いて見れば村城さんがいる。
「‥‥‥彼女に何か用?」
「あ、いや、なんでもないでーす」
え‥‥‥あと少しで契約取れそうだったのに!!
「なんてことするんですか!?営業妨害です!」
「アイツはダメ。確実にアンタ狙われてたよ」
「なんだって良いのに‥‥‥別に殺されるわけでもないし」
「本気?」
ひるんでしまった。
その村城さんが怖くて。
なんだかいけない遊びをしていて、それがバレそうな時と酷似している。
………
………
答えに悩んでいるといきなりキスをされた。
周囲はみな、ラブラブしてるから特に目立ちはしない。
「!?」
「頼むから‥‥‥心配させんな」
他の人からは見られないような階段に連れていかれて、またキスをされた。
遊ばれるの?あたし。
思い切り突き飛ばしたいけど、急に口の中に入ってきた村城さんの舌が絡んできて、
頭が真っ白になった。
ぎゅっときつく抱きしめられる。
ちゅ、ちゅっとディープキス独特の水音が鳴り響いた。
それから首筋をツーッと舌先でなぞられる。
びくっと身体を震わせた。
「なっ‥‥‥」
「ここだったらバレないよ」
そういう問題じゃない!!
「それともみんなの前でしてもいいの?」
「いや!」
「じゃぁここで。ね‥‥‥?」
反論しようとするも、敏感な胸をもまれて言葉に詰まった。