マニアック

冬の思い出セックス

「わぁーー‥‥‥!!」

走行する車の後部座席から身を乗り出し、

雪降る街並みを興奮しながら眺めているのは、

このお話のヒロインの吹雪ふぶき(16)だ。

「こら吹雪。危ないから窓を開けるな」

「だってお父さん、きれいなんだもん!!」

察しの通り、吹雪は南出身なので雪は本当に珍しく感じている。

南ではよく名前と気候が見合っていないと騒がれていた。

しかし父親が北海道出身なので、

吹雪の祖母にあたる女性が名付けてくれた。

その祖母は父親の出身の知内町しりうちちょうにいる。

電話で話したことしかないのだが、とても優しくて人想いなんのだ。

なので吹雪はそんな祖母が大好きでたまらない。

「着いたぞ吹雪」

「おばあちゃん呼んでくる!」

車から降りると真っ先に祖父母の住む一軒家に飛び込んでいった。

「おばあちゃん!おじいちゃん!」

吹雪がまるで幼い子どものようにお二人を呼ぶ。

ゆっくりと足音が聞こえた。

遠くからは「はいはい」と聞こえてくる。

ここで初対面。

思ったより小さなおばあちゃんに、

思ったよりがりがりなおじいちゃん。

吹雪は感動に満ちていた。

‥‥‥

‥‥‥

‥‥‥

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