夢に向かって進む彼との最後の研修
亀山くんとの関係が始まってから、会社の研修の合間に彼との淫靡な極秘研修が、研修期間中週に1度真夜中に行われました。
もうすっかり旦那のことを忘れてしまうくらい彼の体にのめり込んでいたのです。
亀山くんといると、まるで若い頃の自分に若返ったような気持ちにさせてくれます。
ああ・・・、このままずっと彼との関係が続けばいいのに・・・。
しかし、そんな彼との関係にもついにピリオドが打たれる時が来たのです。
研修期間も3ヶ月半が過ぎ、約4ヶ月の研修も残りあと1週間ほどになりました。
カレンダーを見てふと我に返り、少しずつ現実に引き戻される自分がいましたが、その時同時に私の携帯も鳴り出しました。
電話の相手は、亀山くんからでした。
私が慌てて電話に出ると、
「もしもし、加山さん?明日お時間ありますか?」
「明日は日曜日だけど、お店の休みは月曜日だったよね。大丈夫なの?」
「うん、そうだけど明日どうしても話しておきたいことがあるんだ」
「何々?どんな話?」
「いや・・・その・・・、とても大事な話だから、ちゃんと会って伝えたいんだ」
「ふぅ~ん、そうなんだ、わかったわ」
「無理を言ってごめん。それじゃあ明日夜10時頃にはバイトの方が終わるから、10時30分にいつもの場所で待ち合わせということでいいかな」
「うんわかった、夜の10時30分ね」
そう約束して電話を切りましたが、何だか亀山くんの様子が変で、あまり声に元気がなかったように感じました。
翌日、私はバスでやって来ると、いつのも待ち合わせ場所のバス停で待っていました。
10時20分頃に到着した私から5分遅れで亀山くんがやってきました。
「待たせてごめん、加山さん、結構待った?」
「ううん、私もついさっきここに来たばかりよ」
「そうなんだ、それはよかった」
「それで、大事な話っていうのは一体何なの?」
「うん、まあとりあえずどこか喫茶店にでも入らない?」
「そうだね」
そう言って私たちは、バス停から2分ほど歩いた所にあった喫茶店に入った。
注文したコーヒーが運ばれてきて、お互い一口飲んで一息ついた。
「ねえねえ、そろそろ教えてよ。大事な話が何なのか」
彼はしばらく店内の天井を見上げ、10秒ほどの沈黙の後、ついに口を開いたのです。
「・・・加山さん、僕、実は・・・夢に向かって進もうと思うんだ」
「えっ?夢に向かうってどういうこと?」
彼の第一声に一瞬私は彼が何を言っているのかわかりませんでした。
「あれ?言ってなかったっけ、僕が俳優を目指しているのを」
そう言われて、最初に彼とラブホテルに行った時に言われたことを思い出した。
あの時は緊張していたこともあってか、あまり記憶に残っておらず、彼の夢の話もすっかり忘れていたのです。
「あ!ああ、そうそう、俳優だったね」
私は狼狽えながら忘れていたことを誤魔化そうと平静を装いました。
「来年25歳になるし、もうそろそろ俳優目指して本腰を入れようかと思ってね」
「へぇ~、そうなんだ・・・」
「一応お世話になる事務所の方も、もう決まったんだよ。早速来月からレッスンも始まるみたいなんだ」
「そう・・・、おめでとう。」
もっと気の利いたお祝いの言葉を言えばよかったんだけど、いきなりの彼からの告白に頭が混乱していたので、そう言うだけで精一杯だった。
そして、この後に彼が何を言おうとしているかもう私には予想がついていたので、彼から言われる前に思わず先走って自分の方から切り出しました。
「じゃあ、あれだね、もう亀山くんともお別れになっちゃうんだね・・・」
「・・・ごめん。本当にごめん!」
「来月って言ったら1週間後にはもういなくなっちゃうんだね」
「うん、バイトも今日が最後だったし、明日から準備で忙しくなるから、加山さんと会えるのも今夜が最後かな」
「今からじゃ何もお祝いのプレゼントを用意できないけど、今夜は私を亀山くんの好きなように思いっきり抱いてもいいよ」
それからいつものように、この4ヶ月間ずっと通っていた行きつけのラブホテルに向かい、
彼との最後の淫靡な研修を始めた。
最後の夜だからか、彼は今までにないくらいの勢いで私を押し倒して、私の唇を貪るようにねっちょりと舌を絡めて激しいキスをしてきた。
「加山さん、好きだ好きだ!大好きだ!」
そう言って今度は私の両乳房の谷間に顔を埋めてむしゃぶりついてきました。
そんな亀山くんの欲望剥き出しの責めに私も無性に彼の肉棒が欲しくなってきて、いつの間にか彼の股間をつかみ、思いっきり口で咥え込んだ。
私の口の中でグングン大きく膨らんでいくのがいとおしく感じた。
無我夢中でお互いを求め合い、一つに交わり彼が私の子宮を激しく何度も突き上げてきた時には、もう頭が真っ白になり記憶が飛ぶほど何度もイキまくったのです。
心地よい疲労にいつの間にか眠ってしまい、気付いた時には、窓のカーテンの隙間から朝日が差し込んでいました。
こうして彼との最後の研修は幕を閉じたのでした。
あれからちょうど3年がたったある日の午後、昼食を食べ終えてお茶を飲みながらテレビでワイドショーを見ていた時だった。
番組では今勢いのある売出し中の人気実力派若手俳優の特集がされていた。
何と、そこにあの亀山くんが
一瞬目を疑ったけど、確かに画面に映る俳優さんは亀山くんだった。
本当に俳優さんになるという夢を叶えたんだ・・・。
どうやら今度20代の若い青年が、一回り年上の人妻と不倫関係になるといった内容の映画の主役として亀山くんが抜擢されたらしい。
まるで秘密の淫らな研修をしていたあの時の私と亀山くんにそっくりな映画だった。
チラッと映画の予告が流れて彼の演技を見たが、評判通りに演技が上手かった。
「日々のレッスンで厳しく指導していただいたので今の自分があるんです」
と彼は素晴らしいコメントをしていたが、それを聞いた私は、
「まああの時の研修で私が厳しくビシビシッと指導して鍛えてあげたもんねぇ~」
思わず私のおかげで彼は俳優になれたみたいな言葉を自慢気につぶやいてしまった。
彼はそういう意味で言ってはいないだろうとわかってはいたけど、私には彼がそう言っているように聞こえたのは気のせいだろうか。