マニアック

宅配便の彼に無理やり…

ヒクッヒクッと蜜孔が締まる度に、口から短いイき声が漏れた。

「すっごい。本気で気持ちよくなってくれてるんだ?女の人ってホントにイくとき漫画みたいに長く叫んだりしないよね。うれしーな」
「ぅあ、ァ、ひっ……だ、め、だめぇっ」

気持ちよすぎてもう立っていられない。

ドアについた手も汗で滑って、私はずるずるとしゃがみこんでいった。

手首にかけられた手錠のせいで、右腕だけがぷらんと吊り下がっている。

完全に座り込んでしまう前に、彼がぐっと私の腰を抱え込んだ。

そのせいでより深く犯され、私の喉から悲鳴のような喘ぎ声が漏れる。

「わ、こんな軽いんだね。余裕で持ち上げられちゃうな」

「きゃあっ!?」

彼は感心したようにそう言うと、私の腰を左右から掴んでひょいっと持ち上げてしまった。

爪先が床から離れて、私は咄嗟とっさに両手でドアノブにすがった。

自重のせいでドアノブが回転する。

やだ!開いちゃう……!?

私は慌ててドアノブを掴む手から力を抜いた。

そのせいで、今度は彼の方に体重を預けることになってしまう。

「っや、やだぁ……!また奥まで入っちゃうっ」

「奥、嫌なんすか?」

「や、やだ、気持ちよすぎて怖い」

「気持ちよすぎて……?」

うんうん、と幼子のように必死に首肯しゅこうすると、彼は慰めるように私の背中を撫でた。

良かった、分かってくれたみたい……。

そう感じて、私は身体の力をふにゃりと緩める。

だが――。

「ッ!?やァァぁアああ……ッッ!」

「そんなこと言われたら、もっとシたくなるに決まってるじゃないすか!」

ごちゅごちゅと最奥まで突き込まれて、私は我慢できずに大きな嬌声きょうせいを上げた。

聞くに耐えない淫靡いんびな交接音と甘ったるい喘ぎ声が、部屋中に響いている。

「そ、外っ……!外に、聞こえ、きこえちゃ、ァ、あああああッ!」

「なら我慢しないと」

彼は愉しそうに言って、私の項にちゅっちゅとキスの雨を降らせた。

奥をずぐずぐにされて、あちこちにキスされる度、縋ったドアノブと右手の手錠がチャガチャと音を立てる。

「またイっちゃ、イっちゃう、からっ!やめてぇっ!ひぐっ、ァ、ンんん……ッ」

「ん、オレも……イきそ。ねぇ、せっかくだから皆に声聞いてもらってさ、つながってるところも見てもらおうよ。ほら、あと少し力入れれば、ドア開けられるよ」

「そ、んなのっ!だめぇぇ……っ!」

ずぐんっ!と彼が一際深くまで貫いてくる。

私の子宮口に昂りの先端をハメこむように押し付けて、彼がブルッと身震いをした。

ぞくぞくっと悪寒じみた快感が身体を駆け巡る。

イっちゃう、皆に見られて――!

「ひぐぅっ!ぁ、や、いや、ァ、ぁっ……イ、……ッ」

「ン……っ」

直接子宮に、勢いよく注入されているような感覚。

何も考えられない。

脳髄のうずいがとろける。

私の秘処の収縮にぴったり合わせて、彼のものもビクビクと脈打った。

すごい。

ずっとイってる。

こんなに長くイき続けるの初めて……。

そう頭の片隅でぼんやりと呟き、絶頂に耽溺たんできしている私を――。

「やぁっ!?や、だめっ、もうやめ、てぇ……っ!」

「ごめん、まだ収まんない」

彼は再び、勢いよく突き入れてきた。

もはや私の唇からは意味をなさない喘ぎばかりがこぼれ落ちる。

「オレが部屋に入る時、鍵かけたんだ。ドア開かなくて、皆に見てもらえなくて残念だった?」

彼が背後でいたずらっぽくそう言った。

今の私には返事をする余裕なんてないけれど、あとで文句を言うことだけは誓う。

「好きだよ。パーティーなんて行かずにオレといて?」

こんなことされて、身に覚えのない宅配便のことで責められて、もう何が何だかわからない。

けれど、なぜか彼が可愛く思えちゃうことは確かだったので。

私はこの目の眩みそうな快楽に、もう少し身を委ねることにした。

………

………

………

この後、届いた荷物は引っ越していった前の住人が、間違って旧住所を書いたために届いたものだと分かった。

彼にめちゃくちゃ謝られた。

私と彼は付き合うことになって毎日ハッピーにすごしてはいるけれど、あの時の私の声が隣近所に聞こえていたかどうかは定かではない……。

- FIN -

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