汐は夏に覆いかぶさる。
少しだけ涙目な夏に欲情してたまらない汐は、早々に指二本を膣内に入れて、乳首を手と口で転がし始める。
さらに膣に指を出し入れして乳首を刺激すれば、この上ないきれいな感じる喘ぎ声が出た。
さすがに、と思った汐は、声を抑えるために再度深く口づける。
「んーっ、ん、ん、んふぅ…っんんっ!」
ひたすらに攻められてついに夏は達した。
ぐったりとしてしまう夏の唇から、汐は初めて言われた言葉があった。
「ぁ…は、あ…汐、あたし…こんなにセックスが気持ちいいとは知らなかった。ありがとう。だからもういいよ。
知ってるから。夫の浮気相手は汐の後輩の彼女でしょ?あてつけにこんな風にしてちゃ…だめだよ」
「だめだよ」という否定ワード。
今まで夏と同じように社内で無理やりであったり、セフレとの内情であったりでたくさん経験していた。
けれども相手の女性は「もっと」や「またセックスだけしたい」しか言われてこなかった。
けれども夏は違う。
汐の本心も見抜いていたし、それに汐本人を気遣ってくれていた。
本当に優しい人なのだろう、と汐は関心する。
「夫とは別れない。だから頑張って振り向かせなさい。それが一番だよ」
だが、汐は計算違いだった。
「夏」
「ん?」
「俺…」
汐は思い切って話を始めた。
………
………
「俺って不倫でできた子だからさ…頑張れとか…あてつけとか…言葉にすることが怖くてさ」
「うん」
「言葉にしたら、なんかダメになりそうで。だからどんなに本気だろうがなかろうが、そういうお節介は嫌ってた。つまりそれって…逃げてたんだよな」
「…うん」
夏は汐の左ほほに触れた。
気が付けば汐は涙していたからだ。
「夏は、お節介だな」
「はいはい」
「なんか…夏に話してたら平気だな」
「いいよ、それで。大丈夫。汐は汐なんだから。どんなペースでもいいし、どんな気持ちを持っても大丈夫なんだよ」
「……はは。お節介」
「わかってるよ」
「じゃぁ…」
「ん?」