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「二時間後、〇〇ホテルで」
という約束に、意味を聞く野暮なことはしない。
会計を済ませた私はまっすぐにホテルへ向かう。
私の足取りは、視界は、しっかりと輪郭を縁取り、強烈な現実に眩暈すら覚える。
昨日と一昨日が曖昧でも、
『今日』がこんなにも刺激的になるなんて、想像もしなかった。
そして……多分、これから起こることは、もっと想像できないことなのだろう。
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二人が来るまで、誰も見ていないのに、私は緊張なんてしていないふりをして湯舟に浸かった。
軽く身体を洗い、バスローブ姿でくつろいでいると来客のベルが鳴った。
「お待たせ、泉ちゃん。もうお風呂入ったんだ?」
クララ、こと倉田さんはドレスアップした姿から清楚系なワンピース姿に着替えており、
ハイジこと灰谷さんは普通にメンズものの服装。
金髪ロングのかつらの下はベリーショートの金髪で落とされていない化粧とよく合っている。
二人は私を挟んでベッドに腰掛ける。
それぞれはだけたバスローブから素肌を撫でてきた。
「ん……だって、一日働いたから汗臭いし……」
這いまわる、男の人特有のごつごつした掌……
一方で、化粧や香水の、女性的な香りに包まれる。
「余裕そうね。誰とも付き合ったことないって言っていたけど、経験はあるんだ?」
と、ハイジさん。服装が代わると、なるほど。
オネエ要素が少し隠れる。
私はえぇまぁ、と
ベットを共にした結果、付き合わなかったというパターンもあれば、
一夜のみを目的とすることもあった。
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「でも、三人ははじめて、かな」
「はは。私らもだよ」
しゅるりと、バスローブが解かれ、肌が露わになる。
自分だけが全裸であることに羞恥を覚え、
背中を少し丸めようとしたがクララさんはそれを許さない。
「んっ……ちゅっ、くちゅっ……」
ぐいと私の顎をとり、上を向かせる。
重なった唇は角度を変えてぴったりと密着した。
「あむ……ちゅっ……はぁ……ん」
舌がぬるぬると絡み合うキスの傍ら、ハイジさんは私の胸をやわやわと揉む。
簡単に形を変えるやわらかい乳房は、恥ずかしくも彼の手に吸い付くように
「乳首、固くなっているわね……かーわいい」
「んんっ!」
きゅう、と後ろから乳首をつまみ、
はふはふと息継ぎをしながらも、クララさんからのえっちなキスはやまない。
はむはむと柔らかく唇をはまれ、舌がにゅるにゅると絡み合う。
縦横無尽な舌が私の口内で暴れ、ぢゅっと舌を吸われると、ぴりっとした痛みが走った。
思わず肩を震わすと、それをいたわるように、たっぷりの唾液で舌をよしよしと撫でられる。