恋のはじまり

経験値ゼロ

 いつの間に、というかどこから出したのか、コンドームの封をぴっと破いた。

くるくると被せられるラテックスゴムは少し窮屈そうで、ついじっと眺めてしまう。

 そして、鈴原さんに促され、再びソファに背を沈めた。

 何度か入り口と亀頭が、くちくちと馴染むようにキスをする。

にちゅにちゅとねっとりとした音とともに、

くにっとクリトリスを押し上げてきたのは多分わざとだ。

「もぉ……焦らしてます?」

「まぁな。期待してくれてるのが可愛くて」

 やがて、ゆっくりと圧倒的な質量のそれは私のナカへ挿入された。

「あぁっ……んんっ! 入ってるぅ……!」

 すごい、信じられないくらい、固い!

 肉壁を捏ねるように押し上げてくる無遠慮な質量。

それはどろどろになるまで柔く解されたそこにとってご褒美でしかなくて、

自分でもはしたないと思うほどきゅうきゅうと絡みついてしまう。

「っくぁ……! すっげぇ……絡みついて……っ! 
蕩けきってるな……っ! 気ぃ抜いたらイかされる」

「んくっ……あぁ、私も、気持ちいぃ……」

 奥へと進む度にびくんと跳ねる肉棒……

自分が食べられているのか、食べているのかわからなくなる。

 やがて最奥まで行き着く。
奥でぐりっとかき混ぜられると、頭の中は

「気持ちイイ」

ばかりで我慢のしようがない。

「動く、からなっ!」

 合図とともに、腰を掴まれ、激しく腰を打ち付けられる。

これまでとはまた別の、ぞくぞくとした快楽が身体に溜まり、

奥を狙われる度にぱちぱちと弾けた。

 ――ずぷんっ! ずっずっず! じゅぽっ!

「あああっ! 奥、ごちゅんって! それぇっ!」

 派手な水音。かき混ぜられた愛液が泡立ち、

快楽を貪りたい身体がひくひくと痙攣する。

「……すげぇっ! こっちも、持たねぇっ……!」

 汗ばんだ肌と肌がぶつかり合う派手な音。

覆いかぶさるように一層深く潜り込んだ肉棒に、私は嬌声を上げるしかなかった。

「あああっ! あああん! 
イクっ気持ちいいの、止めらんないぃっ!」

 びくんびくんと収まらない快楽の波。

限界まで高め合った私達はしばし抱き合った姿勢のまま、息を潜めることができなかった。

 

 疲労感にぼんやりする頭。

私は真っ白なままのPC画面を鈴原さんの肩口に見つめた。

 ――経験値、仕事にはいかせないかも、って言ったら、鈴原さん怒るかな。

 手足の先まで甘く痺れる身体で、私は鈴原さんにすり寄る。

それに答えてくれる鈴原さんの大きな掌と……

今だ硬いナカのものが愛おしい。

 ――だって、こんな気持ちいいの、二人の秘密にしたいじゃん

- FIN -

\ 官能小説ランキング参加中 /

\ ポチッと応援お願いします /


blank

 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
RELATED NOVEL

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。