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ダーリンお待たせ!お預けごめんね、コスプレセックス解禁日

幸せから一転突如身に降りかかった不幸

不幸って何の前触れもなく、突如、自分の身に降りかかってくるんだと、身に染みて実感
するってこういうことなのかしら。

大好きなダーリンでもある恋人と、当たり前のように過ごしていた日々が、突然、崩れ落
ちるかのように、目の前から忽然と消え去ってしまった。

頭の中が真っ白になるとか、目の前が真っ暗になる、なんて表現があるけど、まさにその
表現通りの状況に陥ってしまったのだ。

 

えっ?一体何があったかって?

実はね、私、ある日突然、ある病気であることを医師に宣告されたのです。

いや、実際には、ちょっと変な予兆のようなものは、今思えばですが、あったような気が
します。

 

「村越さん、今から紹介状書きますから、すぐに大学病院に入院して治療してください」

令和3年3月17日、私はかかりつけの医師に呼び出され、開口一番こう告げられた。

「・・・え?入院?どういうことですか?」

「血液の病気です。昨日の血液検査で、一般の人が出ない芽球数値が出ています」

血液の病気・・・、なんで?

この私が、ウソでしょ・・・。

突然の宣告に、私の頭の中はパニックになった。

この芽球という血液細胞が増えることで、血液がきちんと作られなくなり、貧血などの
症状がみえたり、場合によっては、白血病の心配も出てくるらしい。

「先生、私、今仕事の途中で来ているので、一旦会社に戻りたいんですが・・・」

「ダメです。すぐに大学病院に行ってください」

「・・・は、はい、わかしました」

 

病院を出た後、しばらく、私は呆然としていました。

地に足が付いてないような、何かフワフワしたような感覚になっている。

今まで、大きな病気になったことなんてなかったので、不安で不安で仕方ない。

もう、病気のことが頭から離れないし、他のことは何も考えられない。

さっき、医師に一旦会社に戻りたいとは言ったものの、会社に戻ったところで、
おそらく、仕事なんて絶対手に付かないだろう。

そんなことを考えながらも、ここ最近の私自身の体について振り返ってみる。

言われてみれば、確かに予兆はあった。

1ヶ月くらい前から微熱や喉の痛みが続いていたし、息切れや疲労といったことが頻繁に
起こっていたのだ。

今月初旬から、無数の点状皮下出血が出始め、次第に、上半身にも広がり始めたので、
慌てて内科に駆け込み血液検査を行い、翌日、病気を告げられたのだった。

 

私は村越亜香梨むらこしあかり、44歳。

体型は小柄で痩せ気味。

趣味ということもあって、ダンス、ジョギングと体を動かすのを日課として、食事にも
気を使っている。

これだけしっかり健康を意識していたのに・・・、なぜ、私が・・・。
………

………
まずは両親になんて伝えようか。

ダーリンにも、伝えなきゃ、きっと、彼もショックを受けるだろうなぁ・・・。

病気になったことで、私のこと、嫌いにならないだろうか・・・。

みんなに心配をかけることにもなるし、入院することになったらどうしようか・・・。

考えれば考えるほど、心が重くなってくる。

かなりのショックを受けながらも、重くなった足取りを前に進め、紹介された近くの大学
病院に到着する。

受付を済ませると、早速、検査が始まった。

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