マニアック

ダーリンお待たせ!お預けごめんね、コスプレセックス解禁日

一回り年上56歳のダーリンの不安の種

紹介された大学病院に到着して受付を済ませると、早速、検査が始まった。

採血、心電図、心臓のエコー、CT、そして骨髄検査。

一通り終わると、担当医師から改めて血液の病気を宣告されたのです。

絶望の気分のまま待合室に戻ると、そこには、両親と私のダーリン、恋人の勝秀かつひで君が座って待っていました。

 

「亜香梨ちゃん、検査どうだった?」

私の姿に気付いた勝秀君が駆け寄ってきた。

「うん・・・、やっぱり血液の病気だって・・・。骨髄液を吸引したから、まだいろいろ
と検査するみたい」

私は涙ながらに話した。

「それで、どのくらい治療するんだって?」

「何回かに分けて治療するみたいだけど、とりあえず今回は1ヶ月くらいかかるって」

「1ヶ月もか・・・、面会はできるの?」

「感染症の恐れがあるから面会は一切無理・・・」

そこまで話して私はハッとなった。

 

この人、また風俗遊び始めちゃうかも・・・。

恋人の勝秀君は私より一回りの12歳も年上の56歳。

ダンスサークルで出会い交際を始めて7年目。

結婚歴はなく、恋人がいた時期も短かったようだ。

フリー期間は風俗で性欲を満たしていたらしく、その習慣からか、私と交際している間
にも、風俗に通い詰めている期間があった。

恋人がいる期間が長かったら、満たされない性欲の処理のために風俗通いすることも
なかったのかもしれない。

見た目はどちらかというと、おっとりした感じのタイプの勝秀君だけど、性欲の方は旺盛
らしい。

私との性生活でも責め方が激しいし、私は随分満足させてもらっている。

しかし、どうやら勝秀君の方はそうでもなく、何なら、毎回、ちょっと物足りないくらい
なのかもしれない。

いつも終わったら、何度もキスをしてくるし、しばらく、私に抱きついたままの状態で
余韻を楽しんでいる、というか、もう少ししたそうな感じだ。

私のことを愛してくれているのはすごく嬉しいんだけど、だからこそ、1ヶ月も間が空く
とまた風俗遊びが再燃しちゃう心配が尽きない。

過去に、何度か黙って風俗に遊びに行っていたのを知った時、勝秀君はあまり悪びれる
様子もなかった。

彼にしてみると、風俗に行くことは浮気ではないというのです。

私はエッチの回数が少ないからなのかなと思い、勝秀君とエッチする回数を増やして
みると、風俗通いをすることがなくなりました。

だから、1ヶ月も間が空くと、我慢できなくなって、風俗に行っちゃうんじゃないかと
いう心配が、心の底から沸々と湧いてきたのです。

 

「勝秀君、1ヶ月間、電話くらいしかできないけど大丈夫。その、何というか、いろいろ
と我慢できるかな・・・」

私は遠回しに皮肉も込めて勝秀君に聞いてみた。

「俺は大丈夫だよ。亜香梨ちゃんこそ治療頑張ってね」

気のせいだろうか。

帰り際の勝秀君の後ろ姿を見ると、私の皮肉は微塵も通じず、嬉しそうに彼はガッツポー
ズをしたように見えた。

ますます不安になった私は、入院する前に、同級生で友人の紀美子きみこに相談することにしたのです。

 

紀美子はすでに結婚しており、旦那さんは歯科医師をしている。

とても真面目な方だから、風俗なんて一度も行ったことがないんだろうと思っていたが、
紀美子に電話をかけて聞いてみると、

「そう思うでしょ、でもね、やっぱり男なのよね。私と付き合う前は、結構風俗通いを
していたみたい」

「えっ!ウソでしょ。あんなに真面目そうなのに、紀美子一筋って感じじゃない?」

「アハハ、さすがに今はもう風俗には行っていないみたいだけど、忙しくて出会いが
なかったからか、たまの休日は、性欲を満たすために通っていたとか」

「な、何で紀美子がそんなこと知っているの?」

「あのね、付き合い始めた頃に、旦那の家に遊びに行ったことがあったんだけど、
机の上にしまい忘れた風俗嬢の名刺が置いてあったの。ホント脇が甘いよね」

「それで、旦那さんは頻繁に風俗に通っていたの?」

「そうね。問いただしてみたら、白状して来店時に押してもらうスタンプカードを出して
きて、見たらかなりスタンプが貯まっていたのよ。もう呆れたわよ」

「そっか・・・、じゃあ、私の彼も、また風俗通いを始めちゃうかもね・・・」

「まあね、そればっかりは、どうなるか私にはわからないけど、そうなったらなったで、
仕方ないんじゃないの」

「うーん、でもね・・・」

「まあ、風俗は浮気じゃないと諦めて許してあげなよ。他に女を作って本当に浮気される
こと考えたらね。我慢しすぎたら本当に浮気しちゃうかもよ」

「う、うん、そうね、わかったわ。紀美子の言う通りにする」

「そうよ。風俗に行っているということは、どこか他に女を作りに行っていないという
証拠でもあるし、逆に安心じゃない?」

と紀美子とこのような会話をしながら、私は何とか無理やり自分を納得させて、勝秀君が
風俗通いをしても、許してあげることにしたのです。

ただ、そんな勝秀君の風俗通いの心配をする私だったけど、実を言うと、私自身、彼に対
して、隠している秘密があった。

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