きれいな人なのに、今目の前にいるのは完全なる肉食獣。
由紀さんは意地悪い笑みを浮かべる。
「言葉遣いや口調を柔らかくすると、
相手の警戒心が薄れるから信頼関係を築きやすいの。
現に、玲愛ちゃんだってそうでしょ?」
「う……まぁ、そうですけど」
なんだか騙された気がしてしまう。
(うぅ……私ってやっぱりチョロいのかも……)
それが悔しくて、由紀さんの肌に触れた。
浮き出た腹筋をなぞり、きれいな曲線を描く腰骨、
そして、緩やかに反応しているそれを優しく触れる。
「ここ……こんなに熱いんだ……」
私の掌の中でぴくっと反応したそれはまるで別の生き物みたいだった。
「興味津々だね。理科の実験でもしているみたい」
「あぁっ!」
――かりっ……くちゅっ……じゅぷっ! じゅぽっ!」
「ひぅっ! あぁんっ! 耳、やぁっ!」
尖らせた舌先が輪郭をなぞったかと思うと、
たっぷりの唾液をまぶし、耳の中まで入ってくる。
ダイレクトな水音が脳に響き、その淫靡さに脳みそまで揺らされているみたいだった。
「へぇ……玲愛ちゃんは舐められるのに弱いんだね」
「ああああっ! 首っ! 首もやだぁっ!」
耳、そして首から項まで。
舌や唇でゆっくりと撫でられると腰が抜けるような感覚に陥る。
ふぅっと優しく吹きかけられた息ですら、
体の芯の、恥ずかしいところが溶かされていくみたいだった。
「あっあっあっ……んんっ!」
風呂場という狭い空間で、自分の声が乱反射する。
どうしようもない羞恥心と、妄想ではどうにもならなかった快楽。
脳を直接揺さぶるような情報量に、意味のない言葉がぼろぼろとこぼれてしまう。
「こんなに反応してくれると、こっちもやりがいがあるよ……
乳首も可愛く上向いちゃってる。可愛がって欲しいんだね」
「ぁ……くすぐった……っ!」
由紀さんは私を風呂椅子に座らせると、
右の乳首を口に含み、左を優しく摘まんだ。
――ちゅむ……ちゅぅぅぅっ
肉厚の舌でころんと転がされると、じわじわとした快楽が先端へと集まる。
一方で、爪できつく摘ままれると、むず痒さと痛みに腰を引いてしまった。
「こーら。逃げないの」
「ひぁっ! んんっ!」
咎める言葉とは裏腹に、たっぷりの唾液を増やした舌は、
右のほうを舌の腹でとろんとろんと甘やかす。
そのままとがらせた舌先でほじるように転がされると、たまらず声がもれてしまう。
「んくっ……あぁんっ! それ、きもち……っ!」
「ふぅん。じゃあこれは?」
――ぢゅぽっ! ちゅっちゅ! ぢゅるるっ!
「あぁああっ! 強いぃ!」
柔い刺激から、おしおきとばかりにきつく吸われたとき。
あまりのギャップさに身体が仰け反る。
弓なりになったせいで、余計に強く胸がいじめられ、
噛まれた瞬間目の奥で何かがはじけたみたいだった。