マニアック

ただ皆で鍋をしていただけなのに…

大学に入って初めての冬休み。

私達は午前から隣県のK公園やS塔等を回ってトリプルデートをした後、疲れで妙に興奮しつつ談笑をしながら帰りの電車を過ごし、駅を出ると、ここから最寄りの結愛ゆあの家で鍋をする事になって、スーパーで買物をしてから彼女の住んで居るマンションへ向かった。

「さぁ、入って入って。ちょっと汚いけど」

そう言って結愛は足早に玄関を抜けると、ワンルームのそこそこ広い部屋の隅に置いてある、ハンガーポールに上着を掛けた。

私達も結愛に続いて部屋に入った。

「おう、結構広いじゃん」

「ほんとだなぁ。あ、コタツあるじゃん」

そう言って、寒がりの誠は拘泥こうでいする事なく、テレビの前に据えられたコタツの中に下半身を潜り込ませた。

「おいずりぃぞ誠、俺も俺も」

私の彼氏である清隆も、ブルブル震えながら、誠の対角線上に座った。

「ちょっと、何してんのよあんた達!手も洗わずに汚いでしょ!」

「そうよ!第一ここは私の家よ!少しは気を遣ってよね!」

「うるせぇなぁ、それより早く電源入れてくれよ!寒くて仕方がない!」

結愛は呆れた、と言う様な顔をしながら、コタツの電源を入れた。

主に女性陣が鍋の材料の準備をした。

1 2 3 4 5
RELATED NOVEL

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。