鍋を始めて、どの位の時間が経ったであろうか?
残された具材は全て鍋に放り込まれ、皆の箸もほぼ止まりかけていた。
潰れた安いチューハイの350mI缶がコタツの上に、床に、散漫している。
「…こいつさ、今年のクリスマスでさ、サンタのコスプレしてたんだけど、さ、これがその時の…」
「ちょっと止めてよ誠、そんなの見せないで!恥ずかしい…」
「いいじゃん別に、いつも男みたいに怒鳴ってる癖に…」
不意にコタツの下で、私の太腿を誰かの手が触れた。
はじめは気のせいかと思ったが、その大きな手は、寧ろ自分を主張するかの様に私の太腿を大胆に揉み始めた。
その手の持ち主は、無論、龍之介である。
彼の手は、私の内太腿に滑り込んで来て、焦らす様に付け根の辺りを軽く擦る。
ーえっ!どういう事?何してるの?あっ、ダメ!そこは…はぁん…
そして彼の手は、私が抵抗しない事をいい事に、ズボンの上から、まだ清隆の味を知ったばかりの私の閉じた淫らな口を擦り付けた。
私は声の漏れるのを必死に抑えた。
とは言え、実のところ、私は彼の指から、さほどの肉体的快感を得ていた訳ではなかった。
しかし、彼の指から受ける淡い刺激が、私の官能を十分に興奮させ、その官能の興奮が、
私の初々しい肉体に、もどかしく重々しい快感を与えたのだった。
ーどうしよう…思い切って叫んで助けてもらおうか…それとも我慢して一先ず彼を受け入れようかしら…でも私にそんな事できるかな?…
こんな事を考えている内にも、彼の指は優しく円を描く様に私を刺激する。
本来ならば、私は彼を何が何でも拒まなくてはいけない。
しかし、心の何処かには、彼の全く未知の体に抱かれたいという欲望もあるのだ。
そしてその欲望は、彼の指の周期に合わせて、刻々と私の理性を蝕んで行く…もう、ダメ…!
不図、龍之介の指が口から離れた。
え?私は思わず彼の横顔を見た。
先程まで恥を知らぬ巧妙な淫乱なマッサージ師であった筈の彼は、意外にも赤面していた。
ー何で龍之介君が恥ずかしがってるの?ねぇ?…もうちょっと、してよ…
しかし彼の指は、遂にコタツから現れて、ビールを一杯、ゴクリと飲んだ。
そして彼は、じっと何処かを、妙に興奮した様子で目をギラギラさせながら見ているので、
私もその方を見てみると、自分の目に映った淫靡な光景に思わず息を詰まらせた。
誠と結愛が、ディープキスをして抱き合い、それを見ながら麗奈がズボンに手を入れてひとりエッチしていた。
私の真向いにいる清隆は、酔っ払ってしまってコタツの上に俯せて眠っていた。
誠と結愛は、全く私達の視線に拘る事なく絡み合っている。
誠は結愛を下着姿にしてしまって、耳の下から首筋を舌で這わせながら、小さな乳房とコタツに隠れた下半身を愛撫していた。
結愛は目の前に居る龍之介の前に、仄かに紅潮して妖艶な体を誠に預けながら、まるで彼に見せつけるかの様に、わざとらしく婀娜っぽい喘ぎ声を口から漏らしている。
その結愛の喘ぎ声が、私の体の芯に点在する情欲の炎を、下からふーッと吹き掛けてくる。
身内が淫らな熱に侵されるのを感じた。
「結愛…すげぇ綺麗なおっぱいじゃん」
「もう、いやんっ!あんっ…誠も脱いでよ、私だけ恥ずかしい」
麗奈がいよいよ下半身を露呈して、コタツを隔てて抱き合う2人を見ながら、全く恥ずかしげな様子を見せずに自分の口に指を咥えさせていた。
ーどうしたら良いの?清隆は寝てるし、龍之介君は…抱かれたい…もう誰でも良いから、この場で、抱かれたい!
私は太腿をコタツの下でモジモジさせて擦り合わせ、自分の指でバレない様に涎を垂らす口を触っていた。
突然、龍之介は私の腕を掴んで一緒にその場に立つと、私をグイグイ引っ張って部屋を出た。
そして私達は、トイレの隣にある綺麗なお風呂場に入って、熱いキスを交わした。
龍之介の唇は、まるでキスする為にあるかの様に、柔らかく肉感的であった。
彼のアルコールの匂いの交じった、熱い吐息が私の口元に優しく触れる。
私と彼は、激しく抱き合いながら、その場に衣服を脱ぎ捨てて、裸になった。