「ねえ、私だけ見られたのって、ずるくない?」
「え?」
「私も見たい」
私はそういって、彼のベルトを外した。
「え、ま、待ってください先輩、あの!」
「待たない」
私は彼のズボンから、ペニスを引っ張り出した。
それはもう、欲望で固くたぎっていた。赤くそそり立つそれは、いつもの彼の印象からは想像できないくらい、荒々しくそそり立っていた。
「わ、わぁ……」
ここまでの大きさだとは想像していなかった。
私の貧相な胸と比べてしまうと、少し恥ずかしくなってしまうくらいそれはたくましかった。
「お、大きいね……」
「先輩の胸が、綺麗で……」
「それで興奮したって?」
「は、はい」
「えっち」
「そんないじわる言わないでください!」
彼は少し怒ったように言ったけれど、欲望にたぎらせたペニスを丸出しにした状態だと、その怒りも形無しだった。
「私も他の人の見たことないからわかんないけどさ」
「せ、先輩って処女なんですか!?」
「そうだけど、え、そんな経験豊富に見える?」
「いや、だって、先輩、綺麗だから……」
今日の彼はいつもとは比べ物にならないくらい、とても積極的だった。
いつも私のことを良く言ってはくれているが、それでもこんなに率直に綺麗だとほめてくれるのは、とても嬉しかった。
「お世辞でもそんな風に言ってくれるのは嬉しい」
「お世辞なんかじゃ、むぅ」
私は彼の唇をふさいだ。自分の唇で。
「先輩」
彼は吐息混ざりの声で、私を呼んだ。
そして、今度は彼の方から舌を絡めてキスをしてきた。
私はキスに夢中になっている彼の欲望を、手で優しく包み込んだ。
少し太くて、私の手で包み込むと、ぎりぎり足りるくらいだった。
やり方はあまり知らないけれど、こうやって手でこすり上げれば気持ちいいらしいことは知っている。
「ふぅっんっ……」
舌を絡ませたままで、彼は気持ちよさそうに吐息を漏らした。
とりあえずやり方はあっているらしい。私は、なるべく優しく、手を上下させた。
彼の脈打つ欲望。手の中でとても熱くたぎっているのを感じられる。
「先輩、気持ちいいです」
唇を離した彼は、恍惚とした表情でそう言った。
「よかった」
「先輩」
「どうしたの?」
「私のも、触って」
「はい」
彼は、私のスカートの中に手を入れて、そして体操服のズボンを少しだけずらした。
そこから手を滑り込ませて、私の秘密の場所(とはいっても、今日世間に明らかにされてしまったわけではあるが)に指を入れた。
「んんんぅっ……」
穴の奥底へ、彼の指が滑り込んでいくのを感じた。
自分のものではないものが、自分の中へ入っていく。
口と口でキスをしてつながるときとは、まったく違った感覚だった。
快感はもちろんある。けれど、それだけではない感覚が、全身にじわじわと染みわたっていくことが分かった。
私たちは、お互いの欲望の塊を、お互いの手で慰め合った。
「あぁ、うぅん……」
私は思わず、吐息が漏れてしまうのを止められなかった。
私は自分で自分を慰めることもほとんどない。
だからこそ、その感覚はとても新鮮で、とても刺激的だった。
快感で吐息の一つや二つ、漏れてしまうのは仕方ない。
「気持ちいいです、先輩」
本当かどうかは私にはわからないけれど、彼も感じてくれているらしいことは分かった。
お互いに、お互いの手で気持ちよくなっている。その事実がとてもうれしかった。