恋のはじまり

幼馴染との攻防戦

「どうかな? 契約成立? それとも……この期に及んで煮え切らないなら、勝負してよ」
 
「しょ、勝負?」

「冬華ねぇちゃんさ……」

健君は耳を貸せ、と這い寄ってきた。

「おざなりで自分本位なセックスしかしたことないんじゃない」

「なっ……!」

 赤面するも、否定できず言葉が詰まる。

 健君は「その顔は図星だね」とニヤリとした。

「俺なら満足させられる、てか満足させたいと思う。具体的には、そうだな、三回イかせる。できたら、俺の勝ち。これでどう?」

「ど、どうって、そんな……!」

「冬華ねぇちゃんにとって寂しさを紛らす、その場凌ぎの行為と思ってもらって構わないよ。
それこそホストの代わりだと思えばいい。もちろん、俺は真剣だから勝負には勝つけど」

 にじり寄り、ノーと言わせない真剣な眼差しで射抜かれる。

 かつて、私の人生で、これほどまで真剣に私を見つめてくれた人がいただろうか?

 健君が私の手に触れて、そのまま強く握られる。汗ばんだ体温がじわじわと私を温めるから……そ

の温もりに絆されて、非常識で倫理の欠如した口説き文句すらどうでも良くなる。

「いいよ……勝負、してみようか」
………

………

………

 健君には悪いけれど……正直セックスに思いれはなくて。

というか、しなくていいならぶっちゃけやりたくない。

 キスやハグに愛を感じても、愛撫はだいたい下手なマッサージみたいで気持ちよくないし、挿入は濡れてないのに無理やりローションを塗して挿入された時なんて最悪だった。

 だから「3回」という数字に穿うがった目を向けていたーー一時間前までは。

 

「ああああああっ! イクっ! もぉっ! いっちゃうからぁあっ!」

 ラブホテルの一室で響く私の、自分のとは思いたくない嬌声きょうせい

 仰向けにベットに横たわる私の、膝を立たせて開脚させた健君は舌先でクリトリスの輪郭をコリコリとなぞる。

 肉厚な舌が何度も何度もクリをしつこく追いかけて、愛液と唾液のぬめりを利用し、とろけてしまうのではと錯覚するくらいころころと舐め回す。
………

………
「ん……またえっちな液が溢れてきた。冬華ねぇのクリ、ぷるぷるでカワイイよ。とろっとろだ……」

 ーーちぽっちゅぽちゅぽっ! ぢゅぷぷっ!

「ああんっ! ひっ! クリ、もぉやらぁっ!」

 とろんとろんと、溢れる愛液を舌ですくっては、ゆっくり丹念にクリトリスに擦り付けるから。

 にゅぽにゅぽにゅるにゅると音を立てて責め立てられるたびに頭がおかしくなりそうな刺激に翻弄ほんろうされた。

 

 ーーくちゅっ! ぢゅるる……れろれろ……

「あぁっ! ぺろぺろ、もぉだめぇ……」

 開始数十分もしないうちに指でイかされてしまったクリトリスは既に2回目の絶頂を目前にしていて。

 うずうずむずむずと充血し、勃起したそこは吐息でくすぐられるたけでも腰が弓形になってしまう。

「ん、皮かむって恥ずかしがりやだったのにね。もっとしてって言ってるみたいにぷっくり大きくなっちゃった」

 健君はぷちゅうっとクリトリスを口に含み、ぷるんと指で持ち上げ皮を剥く。

「すごいね。エロくて美味しそう」

 ーーちゅぷっ……ぢゅっぢゅぅううっ!

「やあああん! あん! クリ、いじめちゃやだぁっ!」

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