物語も中盤に差し掛かろうとしている時だった。
ストーリーはどんどん盛り上がり、この先どうなるのかが気になって仕方がない――
それなのに、喜一の手が、スウェットの裾からそっと入り込んできた。
腹を優しく撫でながら、ゆっくりと上に這ってくる。
後ろから抱きしめられて、ブラジャーの上から優しく胸を揉まれ始めた。
「ちょっ、ときいち……っ」
映画を見ているというのに、これでは集中することが出来ない。
セックスが嫌いなわけではないが、
映画を見ているときはそちらに集中したいかすみの耳元で、くすりと喜一が笑った。
「ん、ちょっと触りたくなっちゃっただけ……かすみは映画見てて」
「一緒に見ようよ」
「俺もちゃんと見てるから大丈夫、ね」
そう言われてしまえば、拒否することも出来なかった。
喜一の手が、とまることなく優しく乳房を揉みしだく。
円を描くようにして触れられると、その掌の温度が心地よい。
彼の体温を背中から感じながら胸を触れられて、
身体がじわりと熱くなってしまう。
耳朶をそっと食まれると、くちゅ、と小さく水音が聞こえた。
かすみの尻に喜一の下腹部がぴたりとくっつくように体勢を近付けられ、
その存在が感じられる。
少しずつ熱を持ち始めている喜一の性器が、尻に擦りつけられていた。
「きいち……っ」
「大丈夫、かすみは映画に集中して」
「う、うん……」
かすみは言われた通り、テレビに視線を戻す。
しかし、喜一の指はブラジャーを上にずらし、そのまま直接胸をもみ始めた。
柔らかなかすみの胸が、スウェットの中で喜一の掌によって優しく愛撫される。
乳首に触れないように指をずらして、
マッサージするかのような手の動きがかすみの下腹を疼かせた。
耳を後ろから食まれ、舌先がちろちろと触れてくる。
時折耳の中に舌を挿し込まれ、ぐちっと水音を立てられて背筋がわなないた。
ぐいぐいと尻に押し付けられる喜一のペニスはすでにスウェットを押し上げて硬くなっていて、
それを尻の合間にはさむようにして揺らされると、
下腹部がきゅんきゅんと反応してしまう。
「きっ、きいちぃ……」
「かすみは映画見てなって、これ、見たかったやつでしょ」
「そ、うだけど……」
「俺もちゃんと見てるよ?最後まで見て感想話しながら昼飯食べようよ、な」
そんな風に言われてしまえば、かすみは
きっとそれをわかっていて、喜一はこのシチュエーションを楽しんでいるのだろう。
映画は盛り上がっているというのに、
かすみはもうちっとも映画に集中することが出来なくなってしまっていた。
わざと焦らようにして乳首を避ける指の動きがもどかしくてたまらない。
ペニスをとん、とん、と揺らされて足の間がじんと熱くなる。
テレビの中では主人公が大変なことになっているシーンなのに、
もう何がどうしてそうなったのかもわからなかった。