翼とあおいは手をつないで、緊張感を保ちながら歩いて帰っていた。
そしてものの3分ほどで到着。
鍵を開けて部屋に入り、鍵を閉めて荷物を置くと翼はすぐにあおいを求めた。
「っふ…」
濃厚のキスをしていると、口の端からあおいの艶のある声が漏れた。
それが余計翼を欲情させている。
唇を開放すると、舌で首筋をなぞった。
鎖骨を舌先で刺激すればあおいの体が跳ね上がった。
「っ、ね、…翼はもう経験あるんだね」
「…ないよ」
「うそだぁ」
「余裕あるね」
「慣れてるー」
「うるさーい」
そう言って翼は服をまくりあげて胸をふにっと揉む。
「ぁ…」
「余裕なくしてやるよ」
と言いつつ一番余裕がないのが翼だったり。
しかしそれを思わせないのが俳優なのだ。
ブラジャーをあげて胸の尖端を舐めると、つらそうな声で喘ぐ。
空いている手では反対側の突起をこねてみる。
すると力が抜けてきたのか足が震えていた。
翼は行為をいったんやめ、あおいをお姫様抱っこをして、やわらかいソファに寝かせた。
そして再開する。
媚薬を我慢していた分、翼のモノは勃起して耐え切れずになりそうで怖い翼。
すぐにでも犯したい。
けど優しくしたい。
お互いが初めてだと知っているから。
「ぁ、んあっ、っふん…」
「っは…ん…かわいいよ、あおい」
「ゃ…言わないで…」
それからパンツをずらして一本指を入れた。
「っ…」
「痛いか?」
「大丈夫…お願い続けて」
「あぁ」
指を前後させるといやらしい声が響く。
それに乗って興奮気味の翼は、クリトリスを刺激してさらに喘がせる。
次第になにかがこみあげてくるものに耐え切れず、あおいは一人達した。
「はぁ、んあ、は…っ」
「俺もいきたい」
ベルトを外して翼は自分の勃起したモノを挿入する。
「ぁあっ!」
「ぅ…めっちゃ…ぬるぬる…」
「言っちゃや…」
「ゆっくり動くな」
「うん」
ゆっくり出し入れすると喘ぎ声はかなり大きく出る。
それが翼を余計欲情させた。
「あ、やばい、きもちい…」
その快楽におぼれていると、こり、としたところを見つけた。
そこを刺激するとあおいの声が大きく反応する。
ぎゅう、と締め付けられて、翼はさらに興奮した。
「い、く。いっていい?」
パンパン、と乾いた音を立てながらピストン運動していると、翼も限界になっていた。
「い、よ…」
「…っくあっ」
「ぁああんん!」
精液は下に組み敷いていたあおいのお腹に出した。
互いに初めての経験で、後処理はたどたどしかった。
二人で笑いあう。
その後は翼の腕枕でべたべたとしていた。
「あの約束覚えてる?」
「…唐突に。でもわかる。結婚の話だろ?」
「うん」
「忘れるわけないだろ。今だって俺は安定するように仕事やってるし」
「そうなの?」
「当たり前。あおいと結婚できるように頑張るから。浮気するなよ?」
「翼こそ」
おでこを重ねて互いに笑うと、自然と幸せが出てきた。
この二人は、夢を実現するために各々努力すると誓い合った。
翌日、翼をあおいのマンションから見送ることになる。
「いってらっしゃい翼!」
「いってらっしゃいだけ?」
「…ちゅーは?」
「…はず!!」
「それは俺のセリフ」
お互い黙って見つめあう。
自然と顔を近づけて目をつぶってゆっくりキスをした。
昨日とは違ってささやかな、触れ合うだけのライトなキス。
「いってきます」
「いってらっしゃい」
「……」
立ったまま動かずにいると、あおいは不思議そうに眺めていた。
すると振り返って翼は宣言した。
「今夜、待ってろよ。またたくさんイチャイチャしような」
「!わかったからいきなさい!!」
「あぁ」
ぱたん、と玄関が閉まる。
そのあとを幸せそうな表情で見送ったあおいだった。