ラブラブ

あたしはプラトニックじゃいや!

あたしは今、最高に幸せです。

だって大好きな彼氏に抱っこしてもらってるから。

そしてあわよくばこのままえっちなことも………

って考えてるのはあたしだけか。

いつだってそう。

デートに誘うのもそういうものを誘うときも、いつだってあたしから。

というかあたしたちは付き合って半年経つけど、プラトニックのまま。
………

………
いろいろ色仕掛けしてみたけど効果なし。

はぁ、とついため息が出てしまった。

 

ともえ、どうした?」

キョトンとした顔であたしを見つめる彼氏の海斗かいと

今日こそ…………

「ねぇ海斗。あたしさ………」

「あ、やべ。洗濯忘れてた。ちょっとどいてね」

「え、あ、ねぇ海斗!」

逃げられる。

なんで逃げるかなー…………

あたしとは………そういう関係になりたくないの?

悲しいな。
………

………
「わりぃ菜々美。洗濯干し手伝って―…………」

そこにはもういません。

あたしはもう、海斗のもとには戻りません。

だって。

だって。

海斗だってそう願ってるんでしょ?

でも海斗はお人よしだから言えないんだよね。

大丈夫わかってる。

だからあたしから離れるの。

さようなら。

 

この内容を残してあたしはスコールのように雨降る中、ひとりで町中を歩いている。

もう後戻りはできない。

海斗を忘れよう。

別にえっちな関係が出来ないから忘れるんじゃない。

あたしにその気にさせてあげられないことが原因。

好きな人とはキスだってそれ以上だってしたいでしょ?

海斗はそれを断るよね。

宿泊も許してくれないし、ご両親にも挨拶してない。

つまりあたしを見られたくないんでしょ?

見たくないんでしょ?

 

じゃなきゃ…………納得いかない。

あたしはこの先もずっとずっと

海斗といたいのに、赦されないんならもう知らない。

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