そりゃぁ専務は身長も高くてスラっとしていてかっこがいい。
ビジュは最高にイケている。
頭もいいし器量だって素晴らしく整っている。
そんな専務をあたしは本当に放したくない。
なんだかんだで専務とはもう7年の付き合いで、互いになんでも知っている仲。
交際始めたのはここ2年の間だ。
何度も愛し合っているから、もう身も心も知り尽くしている。
だからこそ、確かに平凡なあたしなんかから抜け出して、新しい人を作りたい、いいや作っているとしても、
行動などであたしはわかる自信があった。
「あたしは‥‥‥専務のことなんでもわかります。だから浮気はしていないと」
「断言できるか」
「はい」
見つめ合う時間が長く続く。
専務はカラッと笑っておでこにキスをしてきた。
「俺は君がサラッと言えるところも好きなんだ。うれしいよ」
「だってあたしの専務ですから」
「満足だ。さて、そんな君に質問だ」
「はい?」
「この香りの正体はなんだ?」
‥‥‥なんの挑戦だ。
「当たったら職場ではこの正体のものを使うことはやめよう。」
………
………
こ‥‥‥こ…怖い!!!!!
当てなきゃ!!これはなんだか不味いってよく肌でもビシビシ伝わってくるから!!
あたしはない頭をフル回転させる。
なんだこの香りは!!専務がここまで言うってことは危ないものだ!!
「まだかな?」
「あと3分!!」
考えろ~考えろ~。考えるんだよ鈴木美帆!!
………
………
「はい、終了?」
「もう‥‥‥専務がわからない‥‥‥」
「正解は、ボディクリームだ」
‥‥‥へ???
「ボディ、クリーム‥‥‥」
「そうだよ。ほら、この商品だ」
あたしに専務は小さな‥‥‥紫色のボディクリームを見せてきた。
サイズはちいさめで、女性が持ちそうな化粧品のたぐいのようなもの。
これからいい匂いが‥‥‥。
というか、これが正体って、つまり‥‥‥なんなんだ?
専務はふたをカパッと外してクリームを出して、あたしの首筋に塗る。
「君は甘党だろ?はちみつの香りは嫌いじゃないだろう。」
「それは確かにそうですね」
「さ、二人で同じ香りを身に着けたんだ、少し寝ておこう」
まさかここで!!!???
「じゃ、おやすみ」
何もしない、んだな‥‥‥。
ハ!なにを残念がっているんだ!!??あたしのバカバカ!!!
………
………