恋のはじまり

19歳の白雪姫

少しだけ寂しかった。

なんだか‥‥大好きだったマサルがいなくなってしまった時のように。

やだ‥‥‥落ち込んでるし。

「朝比奈」

とぼとぼと下を見ていると、池田さんがいなくなった部屋の前に立っていた。

「朝比奈。おまえ‥‥‥」

「?」

「とりあえず、主役なんだから先に飲み屋連れてく」

 

まさか‥‥‥まさか‥‥‥

一緒に並んで歩くの!?

「どうした?」

あたしは感極まって泣きそうになる。

だって、実はあたし、池田さんが気になってたんだもん!

スラっとした高身長に、小顔でイケメン。

女性たちのあこがれの的なんだよ!?

「朝比奈?」

「あっ、はい!!??」

「‥‥‥」

やばい、ほうけてた‥‥‥変に思われるよね。

そう思ってしょんぼりしていると、頭をポンと叩かれた。

見上げればそこには

「ははっ。」

初めて見る池田さんの笑顔があって、好きだと思った。

こうしてあたしたちは二人、会社を後にする。

………

………

………

歩いていると次第に大雨が降ってきた。

確かに今日の夜から大雨で、外出制限を案内していたニュースあったなぁ。

これじゃ風邪ひくよ。

「朝比奈!走るぞ!!」

「はい!!」

大好きな池田さんの手に引かれてあたしたちはホテルに入った。

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