「はぁはぁ。はあ、っとにー‥‥ママってばタイミング悪いよ」
「なんか悪かったな」
「いいの!」
「あと、LINEって?」
いきなりの本題で若干焦るあたし。
だって本当に知らないような表情だし‥‥‥もしかして、もしかするとあたしの思い込み!?
どう言ってごまかそうか‥‥‥恥ずかしい。
と、少しだけ考えているといきなり雨が降り出した。
「うぉ!?佐藤、少し走るぞ!」
「あ、うん!」
走って、走って、でも屋根があるところがなかなかない。
「はぁ、ごめ‥‥も‥‥‥走れない‥‥‥」
「‥‥‥わかった。あそこの店まで最後に走るぞ!」
あたしの手を取り、久川くんとあたしは走った。
最期の力を振り絞るあたしには、手をつないだという事実がよくわからなかった。
でも、あったかくて大きい手だと言うことはわかった。
‥‥‥
‥‥‥
‥‥‥
あたしは今、猛烈に恥ずかしくなっている。
それは‥‥‥それは‥‥‥
まさか久川くんとラブホテル入るとは思わなかった!!!!!
「佐藤。先にシャワーに‥‥‥」
久しぶりに苗字を呼ばれたー。
ってかなんだか照れてない?
「?あ、でも久川くんのほうがズボンの裾濡れてひどいよ」
「‥‥‥いいから。あとでバスタオルと服持ってくから」
「??」
あたしは言われるがままに浴室に入った。
鏡を見ると、そこには久川くんが恥ずかしがってる意味がよくわかった。
見事に服が透けて見え見えだった。
しかも最悪なことに部屋着だったのでブラもしていない姿がここにある。
これか‥‥‥
恥ずかしいわ!!
ごめんね久川くんーーーっっ!!
こうしてあたしは顔面を真っ赤になりながらシャワーに入ったのだった。
けれども‥‥‥出れない‥‥‥こんな恥ずかしい姿見せといて今更どうやってあがれと。
どうやって久川くんと顔を合わせろと。
むりむりむり!!
そしてあたしはめまいがした。
これはきっとのぼせだなー‥‥‥