「やっば、勝負下着にすればよかった‥‥‥」
まだまだ純粋なあたし。
「今回はどのくらい一緒にいられるかな‥‥‥?」
実はまだあたしは処女なのだ。
大学受験に合格したものの、母親の体調不良が続き、
田舎の近くの大学に通いながら、母の看病をすることになっていた。
なので、遠距離恋愛。
その母は今、施設にいる。
自宅はあっけらかんとして生活が見られない。
それもそのはず、いつ母親が帰ってきてもいいようにとしているだけ。
「‥‥‥今日はあたし、ついについなのかな‥‥‥??」
早く大人になりたい。
唯人に抱いてほしい。
そばに感じたい。
「‥‥‥でもうちには来ないって言ってたし、まぁいっか」
淡い期待も忘れ去れるように、あたしは自宅を後にした。
‥‥‥
‥‥‥
‥‥‥
JRのある函館駅に、バスで到着した。
今日は函館駅の近くにある東急インで待ち合わせしている。
本当はうちに泊まってと言ってたけど、
そういうことになったら体調悪いお母さんに悪いから、とやんわり断られていたんだ。
本当はあたしは‥‥‥だけど、
お母さんを考えたらそれが適切だよね。
それもそのはず。
唯人のお母さんとお父さんは交通事故で亡くして、
それからは天涯孤独と言われていた。
しかもその話は噂で聞いてしまっていて、
聞くにも聞けない。
あたしもお父さんは亡くしてるけど、余命宣告があってからの死だったから、
心の準備というものができていたこと。
けど突然的に両親を亡くしてしまっただなんて‥‥‥。
あたしはその時の唯人を知らなかったあたしを恨んだ。
寄り添ってあげたかった。
肩を並べて「大丈夫だよ」と言ってあげたかった。
けど‥‥‥今でも間に合うよね。
「あ、由夏!!」
満面の笑みで手を振る唯人が見えた。
少しだけ思い出していたら目が潤んできたときにバッチリ見えたから、
あたしは気持ちを切り替えて、唯人に手を振り返して駆け寄った。
‥‥‥
‥‥‥
‥‥‥