深刻な問題だと、親友の
………
………
もちろん彼女が開口一番
「旦那のセックスが下手すぎる!」
拳をテーブルに叩きつけながらの暴露に、反応が追いつかなかったけれど。
えーと、と私たちは顔を見合わす。
「一応確認するわ」と里香。
「苦痛レベルを五段階で評価すると?」
「四! 殴られてないからギリ四!」
「前戯は?」
「なし! いきなり突っ込まれて終わり! 以上! マジで痛い!」
「うわぁ、笑えないレベル」
「でしょー? もう無理だよねー!」
「いやいや……二人とも落ち着いて……てか、結婚生活数年目でいきなり『旦那の……が下手』って」
「沙奈、下手じゃない。下手すぎる、だから」
そこは重要なのか、と口籠ると、幸穂は「ぶっちゃけ触られるのも無理」と言い切った。
「なんかね、ありとあらゆる全てにツボが狂ってるというか、トンチンカンっていうか……」
確かに幸穂の旦那は結婚してから永遠の反抗期みたいな一面をぼろぼろと見せている。
正直、当たりはずれで言うなら、完全にはずれの旦那だ。
「ちなみに沙奈のところはどうなの?」
と、里香。
「そうよ、全然悩みなんてないほど満足してるわけ?」
と、興奮冷めやらぬ幸穂。
うっと言葉を詰まらせるしかない。
なぜなら、耳の痛い話題だから。
「……まぁ、上手くはない、かな」
正直それははっきりしている。
幸穂も言っていたけど、前戯なんて全然してくれないし、
女の体はちょんちょんってクリを触れば濡れると思っているレベル。
女の身体をガスコンロと思っているのか、常に濡れていると思っているのか……。
さすがに生々しくて言いたくないけれど、旦那が前戯なしの挿入を当たり前のようにするので、大して大きくもないのに膣が痛いのだ。
先にローション仕込み対策しているが、ひたすらに「早く終われ」と祈っているし、
なんだったら苦痛すぎて「セックスは外注でもいいと」切り出すか迷っている。
………
………
(あれ? 考えてみると……私も深刻かも……?)
私の表情を読んでか、幸穂は私の肩をぽんと叩いた。
はーぁ、と重なるため息。
一方で、里香があのさ、と指を組む。
「二人に紹介するか迷っていたんだけどね。女性用性感マッサージ付きのスパがあるの、知ってた?」