台所へ行こうとするお姉ちゃんに、私は「負け犬のくせに!」と怒鳴る。
「お姉ちゃん、昔から私が可愛がられるから悔しいんでしょ?
お姉ちゃんの彼氏は皆、私を好きになってお姉ちゃんから離れたもんね!
私に嫉妬してるんでしょ!?おじさん達も、お姉ちゃんのことつまらない奴って言ってたよ!」
その時、「どうした?」と言いながらおじさんの1人が私達の所に来た。
「おじさん!お姉ちゃんがひどいの!」
「まあまあ、正月だし喧嘩はね。
恵美ちゃん、ばあちゃんが探してたから行ってあげてくれないか?」
お姉ちゃんは頷くと、台所へ歩いて行った。
宴会が始まって、私はおじさん達と男のイトコとばかり喋ってた。
おばさん達や女のイトコはお姉ちゃんと喋ってばかり。
しばらくしてから、まだ来てなかったイトコが来た。
秀晴(ひではる)君だ。
秀晴君はお姉ちゃんと同じ年で、イトコの中で1番かっこいい。
秀晴君は男性が多い、私と同じテーブルについた。
「秀晴君!明けましておめでとう!」
「ああ、おめでとう」
秀晴君はそっけないけど、間違いなく私のことが好きな男の1人だ。
「なかなか来ないから寂しかったんだよ?」
「俺以外にもいるじゃん」
相変わらずそっけない態度の秀晴君。
ツンデレキャラだもんね、秀晴君。
「いるけどさ~」
と、私が可愛い声で言った時に、別のイトコが秀晴君に話しかけた。
「秀晴、聴きたいことがあるんだけどさ」
「ああ、何?」
秀晴君はそのイトコと話し始めた。
私は話の中に入れないので、仕方なくおじさん達と話してた。
秀晴君は顔だけでなくて頭がいいし、有名企業に勤めてる。
彼とだったら結婚してあげてもいいと思ってるのに、秀晴君は全然私に求婚しない。