これは…夢なのかしら?
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どうして私の目の前に、あなたがいるの?
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あなたは、3年前に還らぬ人となったじゃない…。
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私の腕の中で…。
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なのに、どうして…?
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「
「
なんと言うことだ。
まさか本当に、3年前に死んだ『恭平』がよみがえった…。
私は夢を見ているのだろうか?
いや、夢ならば覚めないでほしいような、欲しくないような、複雑な気持ちだ。
「ん?葉月…、お前、ピアスなんてしてたっけ?」
「え?」
…ピアス穴を開けたのは、恭平が亡くなった後に開けたもの。
それにこのピアスは、恭平が亡くなって2年後に新しくできた彼氏から貰った、初めての誕生日プレゼントだった…。
「葉月、お前まさか、浮気…してるのか?」
「…恭平、あなたは3年前に亡くなったのよ?何を言っているの」
「俺が死ぬ?…プッ、ハハッ!葉月、何おかしなことを言ってるんだよ。この通り、俺はピンピンしてるぞ!それに、今日は記念日だろ?」
…記念日?
そう、記念日に恭平は波にさらわれて亡くなったのだ。
どうして…それを思い出させるために現れたのだろうか…。
それとも私に『新しい恋』をするな。
と言うことなのだろうか?
しかし、今日は何の記念日だったっけ?
「さぁ葉月、もうすぐ海辺のレストランの予約時間が迫っているぞ。駐車場に急ごう!」
「え?駐車場?」
私は恭平に手を引かれるまま、見覚えのある風景に違和感を覚えつつ恭平の言う駐車場へと向かった。
そこには、恭平の愛車があった…。