マニアック

絶倫男しか愛せない私って一体・・・【前篇】

●幼少期に培われた私の変わった性事情

「ねぇねぇ、真由美って、どこからどう見たってお嬢様って感じに見えるんだけど、中身
は肉食系女子で、付き合う彼氏もみんな肉食系の性欲強そうな男ばっかりじゃない?」

「言われてみれば確かにそうかもねぇ・・・。だって、私って、エッチにはとても貪欲
だから、性欲強めの男しか興味がないというか、魅力を感じないのよ・・・」

私の名前は、盛山真由美もりやままゆみ、電機メーカーに勤務する27歳。

今年結婚したばかりの新婚ホヤホヤ。

ある日、小学生の頃からの友人で、毎週のようにランチやショッピングを一緒に楽しむ
仲の、中園美穂子なかぞのみほこに何気なく言われた一言。

 

思い返してみれば、私がこれまで付き合ってきた男は、みんな絶倫男ばかり。

美穂子が言う通り、私の外見は誰が見てもお嬢様にしか見えないだろう。

実際、出会った人全員に、お嬢様ですかって聞かれてきた。

でも、そんな見た目とは裏腹に、私の内面はというと、エッチなことが大好きで、特に、
見た目が獣のような、性欲バリバリの男にしか気持ちが惹かれない。

今日だって、友人の美穂子に、

「何で、真由美って、あんな熊のような毛深くて、見た目が不細工な男が好きなの?
もっとイケメンと付き合えばいいじゃない。あんたの美貌なら、どんな男もイチコロよ」

と私の男の好みについて、いちいち根掘り葉掘り聞いてくる。

確かに、私は自分で言うのもあれだけど、外見にはかなり自信がある。

過去にも、街中を歩いていると、何度も芸能事務所の方に名刺を渡されて、スカウトされ
たことがあるくらい。

今日も、美穂子とランチの待ち合わせ場所に向かっている途中で、芸能事務所の方に止め
られて、スカウトされそうになった。

それに、これまでの人生で、男に困ったことは一度もない。

男の方から勝手に寄ってくるものだから、嫌でも男との出会いはいくらでもある。

今月も、まだ1週間ほどしかたっていないけど、すでに5人の男からナンパされた。

自慢なのは顔だけじゃない。

バストも87センチのFカップあるし、ウエストも56センチとくびれている。

ヒップは88センチで、細いくびれのおかげで、腰からお尻にかけての曲線美も自慢だ。

美穂子が言うには、幼顔なのにボンキュッボンの抜群のスタイルだから、そのギャップが
男心をくすぐるらしい。

そんな美貌を持っているのに、あんな不細工な男とばかり付き合うのは勿体ないと、美穂
子はいつも残念そうに言ってくる。

私だって、そんなことぐらいわかっている。

これまで言い寄ってきた男は、大半がイケメンで、付き合おうと思えば、いつでもイケメ
ンと付き合うことはできるのだ。

でも、私はそんなイケメンには全く興味がない。

私が興味があるのは、エッチの体力が異常なほど強い絶倫男なのだ。

今日も、こうして一緒にランチしている美穂子に、毎度のごとく、半ば説教のような余計
なアドバイスをされている私だけど、どうして、私は絶倫男にしか興味が湧かないのか。

 

美穂子とのランチが終わって、自宅に向かって帰宅している途中で、私の幼少期から現在
までの性事情を振り返ってみていた。

今でも、鮮明に残っていて、今の私の絶倫男好きという変わった性癖の原点となったであ
ろうと思うのが、幼少期のあの出来事だろう。

………

………

………

毎年、お盆とお正月になると、親戚一同が田舎の祖父母の家に帰省して集まる。

その場には、私の父親の弟である、紀彦のりひこさんという叔父がいたのだけど、彼が私のその後の人生を、絶倫男好きへと導いたといっても過言ではない。

あれは確か、私が小学校3年生で、夏休みに田舎に帰省したお盆休みでの出来事だったと
思う。

 

私が祖父母の家の縁側で、大好きなお絵描きをして遊んでいると、そこに、紀彦叔父ちゃ
んがやって来た時のこと。

「おっ、まーちゃん絵を描いてんの?どれどれ、うわっ、結構上手いなぁ。将来は、絵描
きさんにでもなるのかな?」

そう言いながら、紀彦叔父ちゃんは、私の側に近寄ってくる。

紀彦叔父ちゃんが側に来た途端、ムワッと暑苦しさを感じた。

田舎の祖父母の家には、エアコンがなく、扇風機で涼を取るしかなかった。

夜は結構涼しいんだけれど、昼間はまだちょっと暑くて、扇風機は欠かせない。

私も少しジトッと汗ばんではいたけど、側にいる紀彦叔父ちゃんは、私とは比べ物になら
ないくらい、額から頬、首筋にかけて、汗だくになっている。

それに、臭いもすごい。

モワッとした熱気から、鼻にツーンとくる汗の臭いがして、鼻が曲がりそう。

「実はね、叔父ちゃんもこう見えて、小さい頃、まーちゃんのようによく一人でお絵描き
していてね。絵には少しだけ自信があるんだよ」

そう言うと、紀彦叔父ちゃんは、私の背後にピタッとくっ付くように座ると、後ろから手
を前に回して、鉛筆を手に取り、犬の絵を描いて見せてくれた。

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