二人の身体が絶頂へと包まれ、それから少しして、脱力した。
「美咲、今日どうしたの?」
腕枕をされて、すぐ目の前に宗介の顔がある。
うっ、と言葉に詰まった美咲の額に、宗介が笑って口づけを一つ落とした。
「かわいかったよ」
そう言う彼の顔は、いつもように甘く、優しい。
目の前でその顔を見ると、どうしてもどきりとしてしまう。
美咲は恥ずかしくて、何か言おうとしても言葉にならなかった。
マッサージをされていたらムラムラして、なんて、口が裂けても言えやしない。
それもわかっているのか、宗介はきゅっと美咲を抱き寄せた。
耳元に唇を寄せ、低くて甘い声が鼓膜を震わせる。
「またマッサージしてあげるね」
「っ……!う、あ……」
宗介には全てばれているのかもしれない。
羞恥で顔が熱くなる。きっと、真っ赤になっているだろうと思うと逃げたくなって、美咲は急いで顔を伏せた。
答えられない口の変わりに、返事をするかのように下腹部がきゅんと疼く。
返事をする変わりに、美咲は宗介の脚に自分の脚を絡ませた。
それを見て、くすりと宗介が笑う。
きっと、全て伝わっているのだろうと思うと恥ずかしくて、しかしそれを嬉しくも思う。
もうすぐマッサージクリームもなくなってしまうだろうから、また買いに行かなければ。
宗介の腕に抱かれて、美咲はそんなことを思った。
- FIN -